もはや「国民食」の1つに数えても異論はないであろう、ラーメン。 特に、インスタントラーメンの進化っぷリは、飽くなき食への追求心を感じさせる意欲的な分野に思えます。 袋麺では、サンヨー食品の「サッポロ一 番」シリーズか、寿がきや食品の「本店の味」 「みそ煮込」あたりが、私の中では飽きない定番品ですが、もう1つ気になるメーカーがあります。 「金ちゃんラーメン」
「金ちゃんヌードル」 関東地区ではあまり馴染みのない商品名ですが、これらは徳 島製粉株式会社が出している「金ちゃん」ブランドの商品です。 私の中では、主役ではないんですが、斬り捨てる訳には行かない共演者といった位置付けにあるラーメンです。 例えるならば、 ポテトチップスの期間限定「○○味」ってのは、美味しいけど、やっぱ
り「うすしお」が一番だね!
というところの「コンソメパンチ」の位置 これでは、かえって分り難いですね。 さて、そんな金ちゃんラーメンの袋麺でこんな表示を見かけました。 細かい事ですが、常々、袋麺の作り方の一番最初に書かれている 「お湯を用意しろ」
という記述で、結果的に必要なお湯の量しか書かれていない事に疑問を抱いていました。 鍋に水を入れて加熱すると、沸騰するまでに、ある程度の水が蒸発する筈ですが、その量がどれほどかサッパリわからないのです。 中には、鍋の開口部の面積と、気温と湿度、加熱に使用するガスや電磁調理器の出力から計算して、どの程度の水が蒸発するのかを考えなければ気が済まない人 もいる筈です。 もしかしたら、気にする必要がないのかもしれませんが、この業界もそれなりに競争の激しい分野です。 色々な味を試しながら、最良のものを提供している筈ですから、スープの濃度はかなり厳格に守るべきファクターであると思われます。 それを、デタラメに作って、本当は商品開発担当者が意図した味とは異なるものを食べていると思うと、惜しいような悲しいような、損得で言えば「損をした」 感じすらあるでしょう。 それなのに、愛すべき「サッポロ一番みそらーめん」の表記はこれです。 定番、「みそ煮込」ですら、この始末。 用意すべきお湯の量が500mlである事は読み取れますが、鍋に水を張るところからスタートする調理方法の第一行目としては、どちらも失格です。 もちろん、商品として「幅」を持たせている、と言えばそれまでですが、顧客が抱える不安を払拭するには十分な理由ではありません。 そんな訳で、再び、「金ちゃんラーメン」の記述を見てみましょう。 人によっては水から沸かして作るでしょうし、人によってはポットからお湯を出して再加熱するかも知れません。 些細な事ですが、この「水=550cc、お湯=500cc」という記述に、味に対するこだわりと同時に、作る人への思いやりを感じます。 そして、作り方の2番目の項目もとても興味深いのです。 「あり合わせの野菜」をぶち込んで煮ちゃっていいですよ、という豪快にして肩に力を入れない記述。 商品開発部、というよりは、人の良さそうなおばちゃんが集まって作っているような、そんな安心感があります。 作り方の記述から、勝手に想像して1人で盛り上がっている訳ですが、私の中で徳島製粉の株がぐっと上がりました。 がんばれ!徳島製粉! |