とあるイベントに参加した際、本当に障害があるのか?というような車椅子の人に遭遇した。 怪我をしているだけかも知れないが、車椅子に乗っているんだから前に出て当然だ、と言わんばかりに割り込んでは前に出ようとする態度に腹が立つ。 とは言え、詰め寄る訳にもいかないので黙っていたが、そう言えば、最近、街中で車椅子マークを貼り付けた車が多く走っている事に気付くのだが、あれは一 体、どういう意味なのだろうか? という言う事で調べてみた。 見かける「車椅子マーク」は、大抵、次のようなものだ。 これを見れば、大抵の場合「ああ、車椅子が必要な人が乗っているんだな」と思う。 しかし、このマークにそんな意味はなく、むしろ、自動車に貼る事自体が誤用であると解釈できる。 調べてみると、これは「国際シンボルマーク」と呼ばれ、この車椅子のマークには、次の意味があるらしい。 「障害者が利用できる建築物、施設であることを明確に示す世界共通のシンボルマーク」 つまり、障害者が利用できる事を表すマークであり、主に、建造物や建築物、公共輸送機関などに使われるものだそうだ。 もし、自動車に貼ってある場合、それがバスなら意図に沿った使われ方であろうが、普通乗用車の場合は、少なくともタクシーでない限りは誤用であり、個人の車に貼る事など、全くの誤用。 正しくマークを解釈している人にとってはむしろ混乱を招くものとなる。 では、自動車に貼るべき障害者用のマークはどういうものかといえば、こちらがそれに該当する。 こちらは「身体障害者標識」と呼ばれ、身体が不自由である事を理由に免許に条件が付されている人が、運転に影響を及ぼす恐れがあると判断した場合、この「標識」を掲示して運転するように「努めなければならない」らしい。 「努めなければならない」というのは、掲げる事自体が差別に当たるという声があり、義務ではない事に由来するが、その点は、区別と差別を勘違いした過剰な反応とも言えるだろう。 尚、これは「道路標識」であって、初心者マークの自動車同様、周囲の自動車は保護する義務を有する事となり、幅寄せや割り込みなどの危険な行為を行うと、交通違反として罰せられるのだそうだ。 こうして並べてみると、まず「車椅子マーク」を個人の自動車に貼る事は、全くの無意味が無い事が分る。 もちろん「車椅子に該当する人」が貼ってPRしている場合もあるかもしれないが、本当に必要ならば、マークの意味を理解して、必要な表示にすべきだ。 また、中には健常者が、優先して駐車場に止めるため、とか、周囲の車に幅寄せさせられないように、などの理由で貼り付けている事が多いが、どちらにしても「本当の障害者」ではない無知な者が、勝手に貼り付けていると判断しても構わないだろう。 一方の「身体障害者標識」は、道路交通法で定めるところの「標識」であり、貼り付けた車に対しては、それを保護する義務を有するのだが、こちらも「車椅子マーク」同様に、その辺りの店で簡単に手に入れることが出来る点にも問題がある。 ただ、入手の難易度そのものは、大きな問題ではなく、用も無い奴が貼り付け、その効力を権利と勘違いして行使する事にこそ問題がある。 少 なくとも、運転に影響を及ぼすような状態にある「運転手」の判断で貼り付けられている事を考えれば、同乗者が障害者であったりする場合には意味がない筈で あり、五体満足な者が貼っている場合は、その身体ではなく、そいつの頭か心かその両方に障害を負っている人間とみなせば良さそうだが、この表示は、モラル の欠落したバカや自己中心的な奴を表す標識ではない。 尚、聴覚障害者の場合は、こちらの「聴覚障害者標識」を用いるようだ。 こちらは、貼り付け自体が「義務」であり、かつ、周囲の自動車も保護の義務を負うもの。 従って、幅寄せや割り込みなどは処罰の対象になるが、自身の罰則云々よりも、聴力が不十分な状態の人が運転している事を理解し、余裕を持った運転と思いやりで接する事が大切だろう。 ちなみに「蝶」のようだが「両耳」をデザインしたものらしい。 |