Kindleが届きました。DXではなく、小さい方です。 箱を開けると、こんな状態です。 電源を入れていないのに、いきなり画面に何かが書かれています。 これが電子ペーパーの「常識」ですが、軽いカルチャーショックを受けます。 画面には、次にやる事が書かれており、要するに「電源ケーブルを挿して」「電源を入れろ」という事のようです。 箱の中には、簡単すぎる説明書と簡単すぎる充電用のケーブルが入っています。 コンセントの後ろに、USBケーブルが挿してあるような簡単な形をしていますが、それでも、コンセント側には「100-240V」と書かれていて、こんな小さな奴がUSBの5Vに変換できるのか、などと化学系の私を不安にさせるには十分な小ささです。 ちなみに、USBケーブルは抜く事が出来て、そのままパソコン用の接続ケーブルになりますが、Kindle側は「micro-USB」なので、ちょっと汎用性に欠けますね。がんばって、mini-USBくらいにして欲しかったです。 Webで得た知識上、特に説明書は目を通さなくても良さそうなので、いきなり電源投入です。 投入すると、何かが始まります。 何となく、Z22のPalmOS再起動時のイメージがありますが、少々、もっさりしたプログレスバーが右まで進めば、内部的な作業が完了となるようです。 ばばーん! 別段、音はしませんが、唐突に「ようこそ」ドキュメントが表示されます。 それにしても、見やすいです。 液晶だと、モノクロでも独特のムラがありますが、これは電子ペーパーの名の通り、紙に近いコントラストですね。確かに、目に優しい。 ページ送りの際、一旦、画面のリフレッシュが入り、瞬時に切り替わるという訳には行きませんが、そういうものかと慣れてしまえば問題がないかと思います。 右上を見ると、こんなアイコンがありました。 ご存知の通り、Kindleには、『将来的に有料になるかもしれないけれど今のところは無料』で使える3Gの通信機能が付いており、アンテナの強度が表示されます。 写真を撮影したときには、初期段階なのでアンテナ強度ゼロですが、実際に使ってみると、5段階の4を示しましたので、通信速度的には十分使えそうです。 さて、マニュアルも読んでいないので、基本的な操作自体が分からないのですが、ボタンに「HOME」とか「MENU」とか「NEXTPAGE」とか書いてありますので、特別な事をしない限りは、特に迷う事はないでしょう。 現時点で、Kindleの純品上で日本語を表示する事は出来ませんが、Ver.2.3のシステムから、日本語フォントが埋め込まれたPDFは表示できる用になりました。 では、付属の英語のテキスト類は後でゆっくり読むと言う姿勢で、問題を先送りしつつ、日本語PDFの表示をして見ましょう。 付属のUSBケーブルをパソコンに接続すると、外部ストレージとして認識されますので、その中の「documents」フォルダにPDFファイルをコピーするだけでOKです。 青空文庫のファイルをKindle用に最適化してPDF化してくれる『青空キンドル』(http://a2k.aill.org/)というサービスを使わせてもらいましたが、これは簡単で良いです。すばらしい! 本文は、こんな感じ。 今まで、横書きのアルファベットしか眺めていないので、「ああ、輸入品だなぁ」という思いが強かったのですが、こうやってキレイに日本語が表示されると、一気に親近感が沸きます。 また、『青空キンドル』から出力されるPDFは、本文のルビまで再現されて、とても読みやすくなっている上に、リスト上で日本語表示がされない点を考慮して、半角英数のファイル名として出力されるなど、本当に素晴らしいです。 しばらくは、「あれ?あの話、結末は、どうだったかな」などと、文学的な読書が楽しめそうです。 ただ、解像度的には、600x800ピクセルのサイズなので、紙にしてA5サイズ相当までが読みやすいサイズかと思います。 A4サイズになると、少々、辛いかも、いや、はっきりと辛いと言えるでしょう。 個人的な目安ですが、A4サイズなら10ポイント以下の文字が辛そうです。 それでも、コントラストが良いので、ちょっと文字がつぶれても読めない事はない、というレベル。 少々、手間ですが、そういう文書の場合、横向きにしてしまえば、十分読む事が出来ます。 (覚え書き:向きを変えるときは「Aa」を押す) 最初は、大きなKindle DXにしようかと思っていたんですが、持ち運ぶ事を考えたら、あちらは大きすぎるようで、むしろ、Kindle 2程度のサイズの方が実用性が高いように思いました。 ついでなので、ブラウザの画面も載せておきましょう。 ブラウザなど、特殊な機能は「Experimental」という実験的なページに用意されています。 (覚え書き:MENU→Experimental) 現在、「Basic Web」「Play MP3」「Text-to-Speech」の3つが用意されています。 上の写真で「Basic Web」の下にアンダーラインがありますが、これがカーソルです。 今更ですが、タッチスクリーンではなく、5Wayナビのようなスティックで操作します。 人によって感想はそれぞれですが、Palmユーザー的には、操作は良好かと。 ここで、カーソルを合わせて、ボタンを押し込めば決定です。 Googleなどを眺めてみれば、こんな画面が表示されます。 URL欄を見ると、どうやらPDAのようなものと認識されているようですが、反応速度は申し分ありません。 もちろん、日本語表示が出来ないので、日本語ページは化け化けですが、有志の方が研究し、公開されている「日本語化」については、しばらく見合わせる事としました。 おそらく、そのうち、Amazonがやってくれるでしょう。 そうそう。 表面は、どこかしらApple製のような洒落たデザインですが、裏面もなかなか、よい造りになっています。 表面の白プラスチックとは違い、裏面は金属製。 薄いチタン色に、ヘアライン加工がしてある辺りに高級感が漂います。 また、写真右下に見えるのはスピーカー穴で、左右に1つずつ付いており、単体でmp3のプレイヤーにもなります。 試しに、mp3ファイルを鳴らしてみましたが、なかなか良好でした。 ただ、先ほどの画面で「Play MP3」を選択すると、何らかのプレイヤーの画面が表示されるかと思ったのですが、いきなり音が鳴って驚きました。 本体上部にあるヘッドフォン端子は、一般的な3.5mmΦなのが嬉しいですが、だったら、USBもmini-USBにして欲しかったなぁ、という辺りが目立った欠点です。 (覚え書き:音を止めるのは、ALT + Space) さて、注文方法ですが、現時点で「Amazon.com」にアカウントを作成する必要がありますが、この方法については「Kindle 買い方」などで検索してもらえば簡単に分かりますので問題はないでしょう。 特筆すべきは、デリバリーの素早さです。 注文したのが、日本時間で、1月22日(金)の夜8時少し前でした。 (Amazon.comからの注文受付メールは「2010/01/22 19:55」(日本時間)です。) 上の図では、これらは現地時間での表記になっているんでしょうが、これを受け取ったのが日本時間で1月25日(月)の昼前。 最上段の時間は、日本時間での表記のようですが、Locationは実際は「愛知」なのでちょっと情報が違うとは言え、本当に飛行機に乗ってやって来たのか?と思うような早さです。 また、気になるお値段ですが、本体(259.00US$)と一緒に、BELKINのジップケース(24.99US$)を買いまして、トータルで「31,427円」でした。 内訳は「商品27,066円」「配送料 2,571円」「関税 1,790円」ですが、うむ、ちょっと円高レートになってないなぁ、と思いつつも、とりあえず、こんなものでしょうか。 と りあえず、ザーッと紹介してみましたが、標準で日本語表示がされない事に不安を抱きつつも、実は、amazon.comにアカウントを作るときから、実際 に使用してみるまで、Google先生の力を借りれば、特に英語を読む必要もなかったので、PalmPILOTの頃より情報には困らないようです。 唯一、Ver.2.3以降とそれ以前でPDFファイルの取り扱いが異なるので、情報を読み解く時には注意して下さい。 先にも、少し触れましたが、日本語フォントなどを導入して、「日本語化」する方法もあるようですが、Kindleの機能をフルに使えなくても、とりあえず、PDFリーダーとして購入したつもりなので、Amazonが対応するのをゆっくり待つことにしました。 日本語化のやり方によっては、使用不能になる、いわゆる「文鎮化」もあるようなので、ここは慎重にいきたいところ。 この辺り、日本における「電子ブック」の普及状況を眺めながら、のんびりと構えるのが良いのかもしれません。 まだ、到着したばかりで十分に使い込んでいませんが、今のところ『良い買い物でした』と言えるレベルにあります。 もちろん、英語デバイスなので万人にはお勧めしませんが、Palmユーザー向けには、J-OSとかJaPonとか、そういうモノで日本語化できるスキルであれば、十分に楽しめそうなツールだと加えておきましょう。 唯一、気に入らないのは、USBのコネクタがmicro-USBである事くらいですが、これは変換プラグとか巻き取り式のを買い増せば済むので、大目に見る事にします。 また、電源を切ると、ランダムで画像が表示されますが、こういうオッちゃん画像が出てくると、洒落ているようで、何だかガッカリします。 なにせ、次回の電源投入時まで、このオッちゃんは表示されたままですから、これも気に入らないと言えば、気に入らない点でしょうか。 (※後日追記:4秒間、電源スイッチをホールドしたまま電源を切ると、完全に画面が消えた状態で電源がオフになります。マニュアルを読んでいて知りました。 ついでに、リセット動作は15秒だそうです。) そんな訳で、下手したら国内の店に注文するよりも早く到着したKindle、今のところ英語本がほとんどですが、簡単に電子書籍が手に入るという装置です。 日本の出版業界の動きが気になるところですが、まずは、このデリバリーの良さに、Amazonの本気さを見たような気がします。 |