AmazonのKindleを購入して2ヶ月になります。(購入の記事は、こちら→『No.025 Amazon Kindleがやってきた』) その中で、こんな事を言っていました。 先にも、少し触れましたが、日本語フォントなどを導入して、「日本語化」する方法もあるようですが、Kindleの機能をフルに使えなくても、とりあえず、PDFリーダーとして購入したつもりなので、Amazonが対応するのをゆっくり待つことにしました。 しかし、すでに、ゆっくり待てずに、『Kindle 2.3.3へのアップデートとフォントはっく』(yoshi's blog)の方法で日本語化してある有様です。 ただ、特に問題なく使える事に加え、想像していたよりも魅力的なデバイスでしたので、ある程度の自信を持ってお勧めできると思いました。 そんな訳で、この2ヶ月間使ってみた感想など書き並べてみますが、ご存知の通り、入院やら自宅療養やらで、多少、一般社会人よりも時間を持て余す生活を続けていた時期でもありましたので、その辺りを差し引いて読み進めてください。 また、日本語化は、自己責任で行なうものであること、ご理解下さい。 さて、Kindleを購入したものの、現時点では、Amazonを経由して日本語の書籍を購入する事が出来ないので、PDFファイルを読む事が中心となります。 それも、日本語のフォントを埋め込んだ形式でないと表示がされないため、既存のPDFファイルが全て読めるわけではありません。 しかし、ありがたいもので、多くの方がご存知の『青空文庫』から、Kindleに特化してPDF化するサービスを提供してくださるサイトがありました。『青空文庫』の存在だけでもありがたいのに、さらにKindleに特化するサービスとは、本当にすばらしい事です。 それは、『青空キンドル』というサービスです。 『青空文庫』に掲載されている作品のzipファイルのURLを入力し、ボタンをクリックするだけでKindleの画面で読みやすくなるようなサイズのPDFを出力してくれるものです。 画面は『文字サイズ(中)』を試したものですが、もはや、画面はちょっとした文庫本です。 ルビなどもキチンと表示されており、Kindleの画面の見やすさと合わさって、どんな姿勢でも、ばっちり読める点は、寝ながら読書にはピッタリです。いや、とんでもなく便利! また、『青空キンドル』のサイトに、こう書かれています。 青空文庫の作品のページを開いてからこのブックマークレットを起動すると、自動で PDF のダウンロードが始まります。とんでもなく便利! なんだろうかと、この『ブックマーレット』とやら、試してみると、これが驚くほど便利で、私はFirefoxの「ブックマークツールバー」の上に置いてあります。 『青空文庫』で読みたい作品のページを開いた状態で、それをクリックするだけでPDF化され、ダウンロードされるようになっていますので、偽りなしの「とんでもなく便利!」です。 ただし、あまり調子に乗って連投しすぎると、こんな警告も出てきます。 これが出たら、1日くらい、そのパソコンから『青空キンドル』が利用できなくなるようです。 負荷がかかるので、仕方がありません。我慢しましょう。 これを利用すると、『青空文庫』から文学三昧の日々を送る事が出来ますが、元々、無料で公開されているものを読むためだけに、Kindleを買うのは馬鹿馬鹿しい、という意見は当然出てくるでしょう。 確かに、そう思います。 ただ、『青空文庫』から作品をダウンロードして積極的に読むような方なら、いざ知らず、私の場合、そこから、zipファイルをダウンロードして、テキストを読むなんて事が面倒臭いと思うような人間です。 『青空文庫』など、おそらく、今まで1度か2度、利用させてもらっただけでしょう。いや、協力されている方には申し訳ありませんが、「ああ、そんなサービスもあるね。知っているよ。」という感じでした。 しかし、Kindleで読むと、それ自体が『楽しい』んですね。 オッサンが新しい事を始める場合、まず形から、とか言われますが、確かにそうかもしれません。 でも、今まで、ダウンロードすら面倒だった人間が、Kindleを手にしたら、2ヶ月で100作品ほど読破するに至った訳です。 もちろん、夢中になって読んでいるのが『海野十三』のSF、怪奇、探偵物といった軽めの作品という事もありますが、何にしろ、読み物が楽しいなと思い、初めて図書館で本を借りた小学生のように、次々にダウンロードして読んでいるのは確かです。 そういう意味では、Kindle購入の目安として、こういう事にお金が出せるか、という点になってくるでしょう。 だから、万人にはお勧めは出来ませんし、そんな使い方なら無駄遣い、という意見も納得できます。 また、持ち歩ける書籍の量が半端じゃないので、その管理が若干面倒である事も付け加えておきましょう。 書籍はKindle本体の「Documents」というフォルダに全部入れるんですが、サブフォルダに分類する事ができないので、作品数が増えてくると、それなりに大変です。 現時点で『青空キンドル』が吐き出すPDFファイルも、互換性を考慮してファイル名が半角英数になっていますので、Kindleの画面に並ぶ作品名は、かなり読みにくいと感じます。 一応、『しおり』の機能があります。 読んでいる途中でメニューから「Add a Bookmark」(又は、[ALT]+[B])を選べば、ページの右上に「しおり」が付きます。 しおりと言っても、ページの角をちょいと折った、いわゆる「dog ear」という状態ですが、何となく、このビジュアルが洒落ています。 しおりは、1つの作品にいくつでも付ける事が出来て、一覧表示させることも、また、ここから選ぶ事も可能です。 ただ、調べものをするような場合を除けば、大抵の場合は、最期のしおりが「読みかけ」を表しますので、現時点では、このリストを見る事はほとんどありません。 また、しおりのリストは作品ごとになるので『どの作品をどこまで読んでいるのか』という蔵書を串刺しにしたようなリストがあれば便利なのに、と思っています。 こういう管理ツールは不便に思うことが多く、まだまだ、手を入れる余地があるなと思いますが、おそらく、今後のアップデートで、改善されるでしょう。 さて、ここまでは、標準の状態、つまり買ったままの状態でも利用できる機能ですが、さらに「日本語化」する事で、よりKindleを楽しむ事が出来ます。 私は、冒頭に書いたとおり、『yoshi's blog』さんの方法で日本語化していますが、これによって、まず、Kindle上に日本語をそのまま表示する事が出来るようになります。(※繰り返しますが、日本語化は自己責任で実施してください。) そのため、オマケでついているWebブラウザー上でも日本語が化けずに表示されるようになり、現時点で、通信料が無料なので、これはこれで便利に使えると思う人も多いでしょう。 確かに、Wikipediaの日本語ページも、このとおりキチンと表示されますし、一度、KindleからTwitterに投稿してみましたが、無事に投稿できました。 しかし、問題は『表示』ではなく『入力』です。 このキーボード、もちろん、半角英数しか入力出来ません。 つまり、日本語入力の方法を持たないKindleでは、検索語を1語入力する事すら出来ないので、実は、ブラウザはあまり役に立ちません。 「文字化けだらけのブラウザを眺めているのは忍びない」という感傷的な部分は救われますが、実用的には、如何なものかという感じですね。 しかし、この「日本語化」のもう1つの機能は、個人的には、かなり歓迎しています。 前回、このオッちゃんに対して、こんな事を言っています。 また、電源を切ると、ランダムで画像が表示されますが、こういうオッちゃん画像が出てくると、洒落ているようで、何だかガッカリします。 なにせ、次回の電源投入時まで、このオッちゃんは表示されたままですから、これも気に入らないと言えば、気に入らない点でしょうか。 でも、この日本語化ツールによって、これらの画像を好きなものに入れ替えられるようになります。 ネット上で見つけた画像を、600x800ピクセルのグレースケール画像に変換し、50枚ほど入れていますが、味気ないオッちゃんの顔よりも、例え『萌えキンドル』だと言われても、こちらの方が親しみがでてきます。 まぁ、電源を切っている間、ずっと表示されるものなので、非実在青少年のような、公序良俗に反しないものを入れておくのがポイントでしょうか。いや、アニメ絵に限らなくても良いんですけどね。 そんな訳で、Kindleを2ヶ月ほど使ってきた点を踏まえて、再レビューしてみました。 Palm のような日本語でないツールをわざわざ使って、携帯電話でも出来るようなスケジュールやアドレスの管理をする、という一般人から見れば変わった性癖を持つ PDA愛好家の皆様なら、この「わざわざKindleで読む」という行為を理解していただけるかと思いますが、現時点で、買おうかどうしようか、悩んでい る人の分岐点は、その辺りにあると思います。 まだ、Amazonから日本語の本が買える目処すら立っていない上に、『青空文庫』なら、テキストエディタで読めばタダ、という事実。 だ、だが、しかし、それでも…… そういう方には、自信を持ってお勧めします。 ああ、英語が苦手なので、買うのが心配ですか…… 私は、『Kindle (キンドル) 購入方法:日本から購入』というブログを参考にしました。とっても、目の毒です(笑) |