使い捨てを止め、繰り返し使えるものを選ぶという行為。 一見すると地球に優しい事のように思えます。 しかし、それは、単純に資源が枯渇するまでの時間を先送りしているだけではないでしょうか? 例えば『レジ袋』です。 今、多くの人が『マイバッグ』を持参し、レジ袋を削減している一方で、 ゴミを出す時には、わざわざ専用のゴミ袋を購入し燃やしています。 何か矛盾してはいませんか? 今まで、タダで配っていたものを配らなくて済むようになって喜んでいるのは誰でしょうか? マイバッグという商品を売る事で喜ぶのは誰でしょうか? 高額なゴミ袋を売る事で得をするのは誰でしょうか? 次に『割り箸』にも注目してみましょう。 割り箸は使い捨てのイメージからか、森を壊すというイメージがあるようです。 しかし、私たちは、その森がどうやって作られるのか知っているのでしょうか? 森を育てるために、間伐などの作業を行って定期的に手入れをしなければなりません。 その際に生み出される廃材は、割り箸などに使われ、森を育てる資金の一部となります。 しかし、単に『安いから』という理由だけで中国から輸入しているのが現実です。 そして、中国における割り箸生産は、森を育てる事とは縁のない世界なのです。 また、『マイ箸』という物があります。 1人1人が持ち帰って洗って使います。 水は、蛇口をひねれば出ますが、その水を送っている仕組みにも電気を使います。 お店がまとめて洗った方が、よほど効率的だと思いませんか? 今まで、タダで配っていた割り箸を配らなくて済むようになって喜んでいるのは誰でしょうか? 大きなケーキがあります。 一度にたくさん食べると、すぐに食べ終わってしまいます。 少しずつ食べれば、食べ終わるのに時間がかかりますが、必ずケーキはなくなります。 私たちが考えるべきは、ケーキの食べ方ではなく、次のケーキを考える事ではないでしょうか? 次の世代に残すのは、ケーキの欠片ではなく、次のケーキを生み出す知恵なのです。 目先の「できる事」に気を取られ、良い事をした気になるのは、さぞかし気分は良いでしょう。 しかし、地球はそう思っているかどうか分かりません。 地球を冷やすより、まず、頭を冷やし、過熱する『環境問題ブーム』を見直しませんか? mizuno-ami.2010. |