松本市内のホテル。 チェックアウト前、部屋にある「ご自由にどうぞ」的なお茶セットを利用していなかった事に気付き、勿体無いので貰ってきました。 日本茶とコーヒー、その他、梅昆布茶的な何かがあることだけを認識してカバンに突っ込んできたので、その時は気付きませんでした。 後日、会社で飲んでやろうと持って行ったのですが、パッケージを見て、何か違和感がある事に気付きました。 今までの認識は、
というものでした。 しかし、これは、『こんぶ入』の『梅茶』と書かれています。 要するに、ベースは『昆布茶』ではなく『梅茶』 聞いたことのない『梅茶』なる単語。不思議に思って、検索してみると『梅茶』という単語に『韓国』という国名が絡んだものが多く見られたので、 なるほど、韓国辺りで安く作らせたいい加減な品物だな と思い込んでしまいました。 さて、普段なら「そういう会社だろう」と思って、それ以上の詮索などしないのですが、実際に飲んでみると、袋入り粉末茶というインスタント茶から想像できる「この程度だろう」といった味の予想レベルを、良い方向に裏切って、とても美味しく感じました。 こりゃ、韓国人に作らせるようないい加減なシロモノじゃなさそうだ、と直感したわけです。 幸い、裏面を眺めると、社名が入っていましたので、これを手掛かりに、その会社について調べる事にしました。 株式会社レッツ、とありますが、失礼ながら聞いたことがない。 連絡先も分からないので、とりあえず、IT時代の人間らしく、Google先生に問い合わせ。 『株式会社レッツ』と『梅茶』で検索すると、このようなサイトが出てきました。 サイトのトップページを眺めて見る限り、お茶系の製造と販売をしている会社さんのようです。 製品のカテゴリが並んでいますが、粉末の梅茶は『粉末茶』のカテゴリであろうと思われますので、そこをクリックすると、予想通り、粉末の『煎茶』や『ほうじ茶』に混じって『梅茶』という商品が並んでいるではありませんか。 そこで、早速、梅茶の詳細を眺めてみると、『年間48万本』とか『全国の老舗旅館・有名ホテルに認められています。』などと書かれているのが目に入ります。 うーむ、確かに。味などは、そういう場所で使われても問題のないレベルだな、と思うので、あながち誇張表現でもなさそうです。 そして、もっとも興味深い、普通の『梅昆布茶』との違いは、次のような文章でまとめられていました。 女性に人気の梅こんぶ茶。 市販の梅昆布茶は梅が酸っぱすぎたり、逆に味が薄すぎたり…と、微妙な味加減が難しいお茶ですが、レッツお茶の店の"梅茶 こんぶ入り"は「まろみ」を第一に考えました。 最高級の梅肉に昆布をブレンドした相性のよい逸品。 高級昆布が梅の酸味を包み込み、ほのかに甘みを感じます。体に溶けていくような、すっきりとした味わいが楽しめます。 芳醇な甘さと香りをそのままに、最高級の梅肉と昆布のまろやかな味が見え隠れしてしています。 洋食屋さんの裏技としてスパゲッティーや隠し味にも使われています。 ポイントは『まろみ』のようですが、つまり『最高級の梅肉に昆布をブレンド』とあるので、やはり梅の方がベースなんですね。 なるほど、これで『梅茶こんぶ入』なのだと理解は出来ましたが、それでも、梅昆布茶でも良いのでは?思わなくもありません(笑) ちなみに、この通販サイトの価格で計算すると、100杯分で2,100円(税込)、、つまり1杯あたり21円となり、思ったより割高だな、という印象を受けます。 しかし、喫茶店や居酒屋なんぞで、こっそりと封を開け、お湯を注いだ状態で客に出せば、知らん顔して1杯350円から500円は取れるレベルなので、コストパフォーマンスは悪くないでしょう。単純な原料原価ならコーヒーも似たようなものですし。 また、肝心の産地ですが、とりあえず「製造国:日本」と書いてあります。 しかし、そう書かれていても、信用出来ない事の多いご時世ですが、サイトの中身を見る限りでは、どちらかと言えば信用は出来そうです。 と言うわけで、「梅茶こんぶ入」は、日本で作られた、キチンとした品物のようでした、というお話。 手軽な上に、美味しかった事と、意外と缶入りのタイプだと持て余すことが多いので、1つ買ってみる事にしました。 何か、落ち着きますよね、昆布茶とか梅昆布茶、いや、ここの場合は、『梅茶こんぶ入』ですね。 ※後日追記(2010.08.19) 実際に、株式会社レッツさんより、情報を頂きました。 それによると、この「梅茶こんぶ入」のレシピは、3年の年月をかけてようやく作り出された味だそうです。 また、「製造国:日本」の中身も、その実、国産の昆布と梅のこだわった原料を使われているという事でした。 なるほど、わざわざ調べてみたくなる美味しさだった事に納得しました。 しかし、お湯を注ぐだけで出来てしまうインスタント茶ではありますが、だからと言って、製品まで安易に作っている訳じゃありません。 むしろ、インスタント食品は誰が作っても美味しく作れる優れた一面を持っています。 ワ インに紅茶など、美味しく頂くために、温度やカップ、グラスの種類など、何だか小難しいルールを知らなければならない文化もありますが、お湯を注ぐだけで 美味しく頂ける粉茶や、ビンから注ぐだけで、冷でもぬるくても温めても美味しい日本酒など、「ユーザーに負担をかけない一流品」という考え方は、日本が世 界に誇れる文化だと思います。 |