Go!Go!お出かけ〜気が向いたら更新道祖神と猫まみれ 〜松本〜2005/02/11
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こういう画面に遭遇する。 そんな事言われても、どうして良いのやら… そんな日常を送っていると、どこかから電波が届く。 宇宙から電波が届いたり、神の声が聞こえたりしてとんでもない犯罪に走る迷惑な奴が世の中には居るのだが、私のような脳天気な人間には、そのような声は届かない。
聞こえる声は、この程度だ。 ウインナー鯛焼き、覚えている人もいるかと思うが、松本かえるまつりで足を運んだ、なわて通りにあるお店だ。 わざわざ、それだけのために、と言う声も聞こえそうだが、道祖神という神様の声が聞こえたので、足を運んでみた。 ちなみに、今回は移動がメインになるので、写真が少ない事は、予めご了承頂きたい。 豊田市を北上しつづけ、国道19号線を目指す。 途中、交差点の前にある青色の道案内の看板に、「豊田」「藤岡」「足助」「小原」に向けた矢印が書かれていたが、合併によって、これらはすべて「豊田市」になる上に、これらの地名は全てなくなるはず。道案内はどうなるのだろうか、妙な心配をしてしまう。 県境を越えた辺りで、片側通行の道路工事をしていた。 ここで旗を振っているオッちゃんは、満面の笑みで舞いを舞っていた。 憮然としたデブが無愛想に旗を振っているよりも、500倍は心地がよい。 サーカスのピエロでも通用するような笑みと踊りに誘導されて、走行を続ける。 そして国道19号線。道路公団に無駄金を落とすのは嫌なので、高速は使わない。 しかし国道19号線。 大型トラックが、高速道路と間違えるような速度で走っている。 「法定速度遵守車」と当たり前の事が書かれたステッカーが貼られてあるトラックを見かけるが、ここでは、そのステッカーがないトラックが、そのとおりの走行をしている。 ステッカーがなければ、法律を守らなくても良いとでも思っているのだろうか。 スキューバーダイビングで(やった事はないけど…)、後ろからクジラなど泳いできたら、それはそれで神秘的でエキサイティングだが、後ろから迫ってくる大型トラックなどは生きた心地がしない。 唐突だが、ゲームの裏技で知りたいのはどちらだろう。
そして、トラックの運転手など、ちょっとしたことでは自分は死なない鎧をまとっている。 そういう訳で、ゆるゆると運転をしているこちらなど、道祖神の導きに会う前に、別の神様に召されそうで怖い。 唯一、優位に立てるのは、坂道。 登坂車線に移って、ゆっくりと登る大型トラックを抜いておけば、ある程度は楽になるが、その後、ピッタリ後ろに付かれる状態になってしまっては、目も当てられない。 幸い、良心的なトラックだったので、プレッシャーを感じる事なく塩尻まで到達できた事を先に記しておこう。 さて、天気がよい。 雲1つないというと嘘になるが、心地良い事には変わりがない。 スキーはしないので、山の状態は良く分からないのだが、中津川あたりで撮影した山に残る雪、やはり少なめなのだろうか。 汽車、汽車、シュッポ〜シュッポ〜(走ってません) プログラムなんか、現場も知らない若造でも作れるが、実際の道路を知らなければ、このような建造物を作る事は出来ないだろう。 しかし、こういう橋の上を通っている自分の姿を眺めてみたいと思っても、それが出来るのは幽体離脱か何かだろう。残念だ。 そう言えば、中津川市の隣の「山口村」は、長野県から岐阜県に売られる事になった村だ。 合併は明後日2月13日、既にあちらこちらに合併の準備の後が見られる。 それにしても良い天気だ。 あちらこちらに雪山の頭が見えるが、こんな景色は日常にないので、何かワクワクする。 雪国ならうんざりの光景かもしれないが、自分の進行方向に、こんな雪山がデンと構えている光景など、どうしてよいのか良く分からない。 「♪箱根の山は、天下の険」(この山ではありません) あちらこちらを見ても「雪山」としか認識できないのは、ちょっと悲しかった。 ・・・何か雪山 あの雲の向こうに天空の城が〜(ありません) ゴマ塩頭、と命名 何故そうなるのか、考えてみても仕方がないので、何となく「そういうものか」と納得してみる。 そうこうしているうちに、塩尻に入る。 北アルプスが、目に美しい。 ※合成写真じゃありません。 眼鏡をかけている私ですら、遠くの景色までくっきり見えるようで、精巧なジオラマの世界を旅しているかのような錯覚に陥るほどだ。 とは言え、あまり交通マナーが良いとはいえない、塩尻、松本市辺り。運転に気を緩めてはいけない。 まぁ、あまりマナーがよろしくない三河ナンバーとか名古屋ナンバーとか言われるが、結局のところ、交通マナーなどは、確固たる見本があるわけではなく、地域によってローカルルールが決まっているだけの事。 大阪などで、路上駐車がデフォルトであるように、松本では、少しでも隙間が出来ていれば対向右折車が動き出す「早い者勝ち」制が採用されていることを理解すれば、さほど混乱する事もないだろう。 さて、一方通行の多い道路を、やや迷いながらも繩手通り近くの駐車場に入る。 基本的に立体駐車場と言うのは「行き止まり」が無いような設計になっていると信じていたのだが、ここは違う。 松本ナンバーの車でさえ、突き当たって帰ってくる程なので、取り回しの苦手な人は避けたほうが賢明かもしれない。 降り立つ。 寒い。 空気が冷たいというか、幸い、風があまり吹いていないので寒さを痛感、とまではいかないまでも、日常の気温に比べれば格段に「冷たい」。 松本市民の皆様には、笑われるかもしれないが、冷たい湖の底を歩いているような、透明感と冷たさを感じながら、なわて通りへ足を運ぶ。 誰かがマイクで喋っている声が、通りの中に響いているが、とりあえず鯛焼きを目指す。 冬場の魚は、この肝が美味いんだよ(ちがいます) ウインナーの入った鯛焼き。 白いのはマヨネーズベースのソース。 決して、手放しで「美味い」と言えないが、ふと食べたくなる、という魅惑的なジャンクフードの条件は満たしている。 例えば、鯛焼きという名称であるのだが、「焼き」というより「揚げ」と呼ぶのに相応しい油の染み具合。鯛焼きを包む小ぶりな紙袋に染み出てくる油は、和菓子のそれではなく、アメリカンドッグなどの揚げ菓子に近い油だ。 冷静になって考えてみると、外見が鯛焼きであるものの、中身から考えればアメリカンドッグと大差は無い。油について妙に納得する。 簡単に言ってしまえば、油とマヨネーズ、肉という3大デブ要素が揃っているのだ。 また、焼いている姿勢もすばらしい。 通常の鯛焼きとは焼き方が異なるからだろうか。普通の鯛焼きと比べて、鯛焼きの周りに余分な「皮」が結構ついている。皮好きにはたまらないかもしれないが、先端部に近づくにつれて結構な確率で黒くなっている。 いや、並んでいても小麦粉が焼けた良い香りとともに、明らかに焦げた匂いが混じった空気が嗅覚をくすぐる程 そして、躊躇なく黒い部分を適当に払い落として袋に詰める。プラモデルでいうところのバリ取りに近い作業に、正統派ジャンクフードを感じるのだ。 もちろん、通常なら油で揚げて作るであろうアメリカンドッグを、鯛焼きの鉄板で作るという強引な手法にも感動させられる。 蛇足ながら、数人並ぶだけでものすごい有名店に並んでいるかのような錯覚を味わう事が出来るので、他の観光客に対して妙な優越感を感じることが出来るのもポイントだろう。 ちなみに、なわて通りに、鯛焼きを売る店は他にもある。 とある別の店では、ウインナーの店とは異なり、潤沢な在庫が店頭でお客を待っている。 うどん屋に入って先客がカレーうどんを食っていると、ついついカレーうどんを頼んでしまう人が多いが、この店から漂うカレー入り鯛焼きのカレーの香りにつられて買ってしまう私を、誰が責められよう。 さっき喰ったばかりだろうデブ、と言われても、カレーの前には通用しない。 さて、明らかに焼き時間が経って店頭で冷めている鯛焼き、それ渡してくれるおばちゃんの「人肌程度に温まってる」というフォロー。 「冷めている」とは言わないあたりが商売人か、むしろ、ほどよく冷えた外皮に、ほんのり暖かいカレーソースが、ある種の感慨を与えてくれる。 そもそも、ここは松本市。手に持ったペットボトルのお茶が、買ったときより冷えているような気温。私が口にするまでに、既に冷えてしまったのかもしれない、と暖かなカレーソースを舐めながら、納得してみる。 店で売っているモノだけでなく、こういうエッセンスに惹かれてしまう私、それが百数十円で楽しめるのは、むしろ幸せと言うべきであろう。 さて、通りに響いていたマイクの声。 世にも恐ろしい、我慢大会が催されていた。 名付けて「第3回 がまんカエル大会」(笑) その内容は、
テレビ番組で、お笑い芸人が体を張って我慢しているアレを想像してしまいがちだが、明らかにそれとは異なる次元の我慢大会。 その様子を、取材班は密かに撮影する事ができた(取材班ってなんだ?) 衝撃映像を、プライバシーに配慮しながら紹介してみよう。 衝撃スクープ!?(プライバシー保護のため、一部映像をぼかしております) 参加者が子どもに限られているのか、挑戦するのが子どもしかいないのか分からなかったが、子どもが参加している姿しか見られなかった。 危険なのは「子ども」という生物であろう。 子どもは、ウケを狙ってか狙わずか、例え手が凍り付いて剥がれなくなっても我慢して手をつけている性質があるので、3分で合格、という時間制限ルールが設定されているようだった。 表向きは、人道的な配慮だと思われるが、無茶な子どものための特別措置か。さすがに「第3回」ともなると、色々な事が分かってくるのだろう。 ちなみに、通りに響いていた声の主は、このおっちゃん。 「はいはい、そこの坊ちゃん、お嬢ちゃん」(言ってません) テクニシャンである。 そして、意外にも素直に従う子どもたち。 だが、饒舌な喋りとは裏腹に、無表情で氷に手をつける子どもが多く、盛り上がりに欠ける。 寒空の下、我慢しているのは氷の冷たさではなく、今の、おっちゃん自身の立場じゃないかと思わなくもない「我慢大会」であった。 「・・・おっちゃん、まだかい」 「ボウズ、覚えておけ。人間辛抱だ」 「あ、取材されてます!」 (↑筆者の勝手な妄想です) 妙に達筆な「がまんカエル大会」 そうそう、なわて通りといえば、アイツの存在を忘れてはならない。 「よう、久しぶりケロ」 「なんか小汚くなったね」 「そのうち、土にカエるんだよ。カエルだからね。」 ふと、今年の初詣はまだ行っていなかった事を思い出し、四柱神社で手を合わせた後、 ゆるりと松本城に足を向けてみた。 何故か松本城は、見る角度によってスケールが異なって見えるように感じて仕方がない。 例えば、北側の御神木が並ぶあたりからの眺めると、国宝の代わりに、童友社のプラモデルが置いてあるかのように小さな建造物に見えるのだが、南の通りから入ってみると、なかなかどうして立派なのである。 さて、お城の周り、水があっても柵1つなく鯉が悠々と泳いでいる。 あちらこちらに立ち入り禁止の看板がかかっているよりも、こういう場所の方が、事故は少ないのではないかとすら思ってしまう。 あまりにも何もない空間。風はないとはいえ、このような広い場所に出ると、それなりに山からの風を受けることになる。 体は自然と日向を探す事になるが、暖かそうな日向には先客が。 ネコまみれ 「お尻臭いにゃあ」「余計な世話にゃ」 あちらにもネコ、こちらにもネコ状態なのだ。 顔を掻いてもネコ 爪を研いでもネコ ゴロンと寝転がっている所を・・・ 「見てたのかにゃあ」 そこらの野良なら、私のような人間が、カメラを向ければ「ニャにを撮っているんだ」とばかりに睨んでいるであろうが、後にも先にも、カメラ目線のネコはこれ1枚。 「野生のエルザって知ってるかにゃ」 ネコにカメラを向けていると、唐突に老婆が話し掛けてくる。 近所にお住まいの方で、このネコ達の話を聞かせてくれると共に、昔話まで聞かせてくれる。 それによると、冬場は松本城の堀が凍ってスケートが出来たので、女学校時代の体育の時間など、松本城に来てスケートをしたそうだ。今時のスケート靴じゃなくて、下駄スケートだと言っていたが、何やら面白い光景だ。 次の時間が、スケートだと言うと、前の時間から廊下に並んでいるスケート靴で、滑りそうなものに目をつけていて、等という話を聞くと、なんだか、学生時代の体育の剣道の時間を思い出すような。いや、目的は違うのだが、時代を超えて、そういうことは共通なのだろう。 しかし、戦後になると、スケートが出来るほど凍る事はなくなったとか。 チキュウ温暖化を、こんな身近に感じられるとは思わなかった。 一方、遠足などは、小学校何年生の時には何々山、学年が進むとこっちの山、と言うように、あちらこちらの山を登ったそうだが、目に見える範囲の山々が全て観光地である認識しかない私にとっては、驚くような羨ましいような。近所の公園まで徒歩で行って弁当を食っただけの遠足だった自分とは、雲泥の差だ。 大都会といえば、決してそうではない松本市。周囲を絶景の山々に囲まれたその風土は、何か居心地よく感じるのは、単なる旅人の気まぐれであろうか。 足を悪くしたので、そういう山には登れなくなったけど、と話しつつ、観光バスのバスツアーに迷惑と言われてもついて行くの、と嬉しそうに話す大正生まれのおばあちゃん。御歳80を越えている。 是非、長生きして下さい。 「そろそろ帰る時間じゃにゃ〜か?」 「こんどは、手土産もって来いにゃ」 「やっぱり、お尻臭いにゃ」 「お帰りはこっちだにゃ。ついて来いにゃ」 冷え切った体に、何か暖かいものを感じながら、この地を後にした。 |
本日の好日度:★★★★★ 「ほんわか」 |