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風穴はサムい? 〜風穴の里・長野県松本市安曇〜


2006/08/14
 ゴールデンウィークや盆休み。
まとまった休みの間に、小旅行するのは楽しい事かもしれないが、どこへ行こうかあれこれと悩んだりしている期間も楽しいかもしれない。
だが、計画性がなければ予定もない、そんな「お出かけページ」なので、唐突に安曇に居たりする。

事の下りは簡単だ、
    松本から山の方へまっすぐ行けば上高地じゃん。
ありえない理由で足を伸ばした上に、目的地としての上高地に執着している訳ではない。
気がつけば、途中にあった道の駅「風穴の里」に留まっている状態だ。

「風穴」、「かざあな」ではなく「ふうけつ」
場所が大雑把で申し訳ないが、富士山の方にある「風穴・氷穴」のイメージがあったので、ああ、そういう場所を「売り」にしている道の駅だな、と立ち寄った次第。

しかし、さすがに観光シーズン。
かろうじて駐車場の空いている場所にもぐりこむ事が出来たが、待ちの車が途切れなくやってくる。

さて、ちょっと小洒落た道の駅の建物から離れたところにある「風穴」
さすがにこの観光客の数では、見学者でいっぱいだろうと思ったのだが……誰も来ない。
不安を覚えながら、ひっそりとした小道を進んでゆくと風穴の案内がある。
    風穴
    「GUIDE」だけ英語である意味がわからない……
もうここまで来ると、看板に書かれてあることよりも、ちゃんと風穴がある、ということに安心してしまう。
それほど人が来ない訳だが、人が来ないだけでなく、視界に入る建物も怪しいため、不安が募っていたのだ。
    風穴外観
    えっと、こちらでよろしいんでしょうか?歩いてくる途中にたくさん疑問符を落として来ました。
どこからどう見ても「天然の冷蔵庫」じゃない。
立派すぎる「風穴」の看板に、重厚そうな木の扉。
これらから想像するのは、見学施設ではなく「営業は夜6時から」というスナックの外観ではないか?
    スナック風穴
    スナック「風穴」、お昼はまだ開いてません状態にしか……。
そもそも、この扉を開けて勝手に中に入ってよいものかすら分からない。
不安だ。

でも、ドアにカギはかかっていない、ちょっと覗いて見るだけでもと、中に入ってみる。

……暗い。

当然といえば当然だが、薄暗い何もない部屋。
さて、どうしたものかと思ったが、暗ければ電気をつければよい。
    スイッチあるよ
    1年中「内部が暗い時は」だと思うのですが……。
セルフサービスの見学施設、こういう張り紙に従って行動すると、「注文の多い料理店」というお話のように最後に食われちゃうんじゃないかと心配になるが、心配するほど広くない。
何もない、ただの小部屋だ。
だが、扉1枚隔てただけとは思えぬ冷気でヒンヤリとしている。
しかし、ヒンヤリしていても、湿気があるため、即座に汗が引くという感じではない。
冷蔵庫の中ってのは、こんな感じなのかなと思いつつ、もう1枚、奥の貯蔵庫へ続く扉に手をかけるが、さすがにこちらはカギが掛かっていて入れない。
まぁ、当然といえば当然だが、その貯蔵庫の中は、ガラス越しに見学できるようになっている。
    貯蔵庫の中
    注)写っている白い影は、ガラスに映った私の姿です。
冷気でなく霊気だと、ちょっと怖い物があるが、ガラス越しに覗く貯蔵庫には、色々なモノが貯蔵してあるようだ。
手持ちギリギリまで感度を上げて撮影してみる。
    貯蔵庫の中
    注)写っている白い影は、ガラスに映った私の姿……のはず。
あの「樽」の中身が非常に気になる。気になりだした途端に、頭の中は「ひぐらしがなく頃に」のオープニングテーマが流れ始める。めっさこええ〜
まぁ、そうは言っても、人は来ないしヒンヤリしているし、あのお土産売り場だけ冷やかして帰るには惜しい施設。
せっかくなので足を運んで見るのも良いのかもしれない。
もちろん、ただの貯蔵庫ではない。
天井には赤外線センサーがあって、キチンと人の出入りを監視している。
    天井もチェック
    レーザーで撃たれたり、警告されたりしません。
ハイテクだ。
その一方で、帰りの行動もセルフサービス。
    お帰りは
    あ、ちゃんと「お客様」扱いしてくれている!
ローテクだ。
もちろん、電灯のスイッチも自分で消して退室。
    やっぱり
    うーん、どう見ても外観は見学施設じゃないよなぁ……
あらためて見てみると……やっぱり「スナック風穴」だなぁ。つーか、人が来ねぇ〜(笑)
そんな人が来ない場所、更に奥の方にも「風穴」がある。
こちらの方は、どこかしら歴史を感じる建物だ。
    古い風穴
    公開すると祟られる物が貯蔵されているような雰囲気
説明書きも先ほどより詳しいのだが、こちらの建物はカギが掛かっていて入れない。
残念。
    郵便局
    都市開発の指標は「郵便局」の存在なのか?
何だこれは、と思いながらもちょっと楽しい風穴見学。
人に勧めたい気持ち半分に、あまり荒らされたくないなぁ、という気持ち半分。
ひとまず「よく来てくれたな」というご褒美だろうか。何気なく足元を見たら生えていた四葉のクローバー。
    四葉騎士団
    抜かずに帰ってきたので、行った方は探してみてください。
こういう偶然は、百円拾うより嬉しいな。

しかし、本来、小休止をする筈の道の駅。
でも景色が良いのでのんびりと堪能してしまう。
ふと、山を見れば、リアルな「ぼくの夏休み」だ。
子供の頃をどことなく思い出す。
    青い空と緑の山
    雛見沢村は、あっちの方?とか思ってしまう風景。
バッタなんぞも無防備に飛び跳ねている。
ちなみに、このバッタの下の茶色い物は、風穴へ向かう途中に掛かっている橋の手すり。
木で出来ていて、高所恐怖症の人にはちょっとした難関かも知れない。
それも、手すりも木で出来ていて「下手に持つとトゲが刺さったりする」と注意書きが書いてあるので、出来る限り手放しで渡らなければならない。
人によっては、風穴の中より涼しくなれるだろう。
    バッタバッタ
    羽根が短いから、まだ子供バッタかな。
さて、さすがに日向はそれなりに暑いのだが、日陰の心地よさは、さすがに山の上だと思う。
ちょうど道の駅の建物の陰になる部分に、イスと机が並べられていてのんびりと休む事が出来るようになってる。
心地よい風が適度に吹き抜ける場所。
正直、とても嬉しい。
    ケロン雲
    巨大なケロン(by ケロリン堂)のような雲がニョキニョキと!
そもそも、目的もなければ計画もない旅なので、心地よい場所で過ごせばよい。
仁和寺の法師なら上高地に行かなかった事を悔やむだろうが、彼らほどミーハーではない。有名な場所よりも心地よい場所の方を選んだってバチは当たらんだろう。
山の上から、巨大なカエル雲が顔を出すのを眺めていながら、うたた寝をしつつぼんやりと過ごす。
たまに、写真をとったりしながら、まったりと流れる時間。ああ、大人の夏休みだねぇ。
    しゃちほこトンボ
    トンボによる芸、「尾張名古屋は金のシャチホコ」でござい。
こうやって眺めていると、遠くの山の木々も、近くの木と同様に風に揺れているのが見える。
あの山の木1本1本が、いま目の前に生えている木と同じものだと思うと、何だか不思議な気分になってくる。
    青と緑
    トトロの1匹や2匹くらい居そうな雰囲気
そんな事をしながら、妙に美味いドイツソーセージなど食べながら、のんびりと過ごす数時間。
花より団子。食い気も忘れちゃダメだ(笑)
    ケロン雲
    ケロン雲も、帰ってしまった。おやすみ〜
ぼんやりと眺めているうちに、ケロン雲も帰ってしまったようだ。
こちらも、そろそろ下界に下りることとしようか。

何もしない事の贅沢。


帰りの渋滞さえなければ満点なんだけどね。
    道の駅
    道の駅、人間もぼんやりと休みました。
本日の好日度:★★★★☆ 「タバコ吸うなら風下へ行って下さい」