Go!Go!お出かけ〜気が向いたら更新秋、小さいモノも見つけた! 〜松本・ナワテ通りシリーズ〜2006/11/04 |
「防音って、書いてあるやん」 などと思いながら、トンテンカントンテンカン騒がしいマンション建築現場を見上げている。 金がない奴にゃ、空も見せてくれないらしい。 そう、この時期になると何となく足を運んでしまう、この場所。恒例のたい焼きドライブだ。 もちろん、松本ナワテ通りの「ふるさと」さん。 上を見上げると、あら、可愛らしい看板が。 普段なら、空いている時を見計らって買っていたので、今更ながら、のんびりと行列に加わって並んだことがないなぁ、と思いつつ、店構えを眺めてみる。 ああ、こんな看板があったんだ、とか、こんなのあったっけ?と妙に新鮮だ。 今まで気が付かなかった…。こんな看板があったんだ。 全てのオーダーはチラシの裏の手動オーダーシステム、エコロジカルだ。 チラシの裏、目玉クリップとボールペン、注文は全てここに記載されています。 そりゃそうだ、知った顔が知らん顔してこっそり列に紛れていたのを発見すれば、誰だって笑ってしまう。 わぁ、写真失敗。ごめんなさい。これじゃ、せっかくの笑顔が台無しです。 ひとまず、作業に支障のない程度で情報交換をする。どちらもサイトに日記を載せているので基本的な情報は知っている。代名詞だけで通じる会話は、短時間でも情報密度が高いのだ。 定番ウインナーたい焼きを受け取り、その場を去り、防音シートと越中屋さんを交互に眺めながら、焼きたてを頂く。 日本で一番、ウインナーたい焼きを写している人かも? 普段でも十分美味いのに、焼きたてだと更に美味しく感じる。 さすがに、常に注文に応じて焼く訳にはいかないので、作り置きされている場合もあるだろう。もちろん、それでも美味しいのだが、列を作っている時は、焼きたてが頂ける狙い目なのだと、進んで並ぶべきかもしれない。 比較的、保守派の方が多く「え〜、ウインナー」という声を耳にするが、まぁ、ダマサレタと思ってお試しあれ。もちろん、好みは人それぞれだが。 どちらにしろ、ウインナーたい焼きを食べる場合、中に入っているマヨネーズの油分が外皮まで伝わるので、ウェットティッシュを持参すると良いだろう。 焼きたてでも油分は出てきます。でも、マヨネーズの微かな酸味とウインナーの風味、皮の香ばしさがバッチリ。袋も良く見ましょう。たい焼き柄です。 この時期、さすがに信州だけあって、リンゴの甘い香りが店の前を通るだけで鼻に届く。 写真じゃ香りが伝わらないのが残念。写真奥の小さい奴も美味しいです。 やはり地元だけあって、この辺りでしか出回らないものもあるし新鮮だ。 こういう時は、安いからと大量買いするのではなく、地元であっても高いモノを数個買うのが贅沢というモノだろうか。 いや、別に数個に限らなくても良いが、良いものは地元でもそれほど安くはないので予算上仕方がない(笑) とは言え、これがトラックに載せられて、うちの近所に届く頃は、魚で言えば目が死んでいるような状態になって値段も倍化するのだろう。 得した気分で3つほど買ってみる。ありゃ、ずっしり重いわ、これ。 実は、この原稿を書く前に1つ食べたのだが、甘味と酸味が程よいバランスで口の中に広がって、とても美味しかった。例えるならば、旬のキュウリを丸かじりした時のような新鮮さ。 リンゴの甘さを伝えるのに、緑黄色野菜の新鮮さを引き合いに出すのが丁度良いとは、多少、奇妙にも感じるが、そちらの方が分かりやすい。 さて、予定としては「ふるさと」さんでたい焼き食べて、「じゅげむ」さんでうどんでも、と思っていたのだが、残念ながらうどんの方が開いていない。 テレビ落語家じゃないが、私の胃袋には若干の余裕どころか、別腹が空いている。 「今来たばっかりで、もうカエルのかい?」 ここのパンはふっくら系、不思議なのは焼きあがってからしばらく経っているのに、ふっくらのままである事。 実際、焼きたてパンなら、どの店でも大差なく美味しいのだが、時間が経って冷めてしまうと格段に味の差が出てくるものだ。 そんなパン、イートイン方式なので店内で飲み物と一緒に食べる事ができる。休憩場所としては最適だ。 また、ナワテ通り内で、若い娘さんが多く働いている数少ない店かもしれない。これも嬉しいことだ(笑) ぼんやり外を眺めていると、ふと、1件の店が目に入る。 屋号も書かれていないので、店の名前すら知らないが、ドールハウスなどのミニチュアを扱っている店だという知識はあった。 だが、じっくり中を見たことがない。 おそらく無言で作業をしている店主さんの姿を見て、ちょっと敬遠していたところがあるのかもしれない。個人的には、入りにくいお店、という部類に入る。 しかし、今日は見てみる事にしよう、とふと思って足を運んでみた。 入ってみると、壁一面に吊るされているのはドールハウスの小道具だ。 おそらく、大抵の日常品が揃います。ドールハウスというよりドール百貨店も可能。 よく出来ているというレベルを通り越して、普段使っているものがそのまま小さくなっただけ、という出来の良さ。 こういうドールハウスにのめり込む人の気持ちがよく分かる。 それも、単にリアルさを追求した食玩と呼ばれるオマケとは違った「温かみ」を感じるから不思議だ。 何だろうか?道具から生活感を感じるからなのか。 壁から目を離し、レジ横に並べてある皿に目が止まる。 「大皿」と書かれた緻密なミニチュア 直径5cmあるかないかのサイズに、緻密な柄が描かれている。 じっくりと驚きながら眺めていると、作業を止めて店主さんが声をかけてくれる。
恐る恐る眺めていると、手にとって見てもいいよ、洗えないから皿としては使えないけどね、と気さくな言葉。 冗談ヌキで、手で触って良い物かと思うほどの大皿。頭の中では、すでに「芸術品」扱い、素手で触るなどありえないと判断しているのだ。 裏を見ると…なんてこった!裏まで描かれているではないか。 感動だ。 だが、お話を聞いていると、とっても描くのが大変で、途中で嫌になっちゃって、よっぽどやる気が出なきゃ作らない、とか。 ものすごい人間味があるお話だ。 芸術のプロの人なら、常に作品に対して前向きであれ、なんて厳しい言葉が出てくる場面だが、自分のやる気がない時は手が止まってしまうものというとても共感のできるお話だ。 まぁ、自分何ぞを一緒にすると失礼にあたるかもしれないが、趣味のプログラミングも、似たようなところがある。 そんな訳で、作れる時にしか作れない、という。 お鍋のセット。鍋の直径が2cmあるかないかというサイズなのに、すごい温かみを感じる。 もちろん、根っからのミニチュア好きだから、やろうと思った時には集中してできると言う。 どうやって描くかは企業ヒミツだけど、簡単には真似は出来ないと自信たっぷりなのは、先ほどから作業をしている手つきで分かる。 手のひらに乗る小皿なのに、大皿のミニチュアだ、と思うから不思議です。 単なる円のようだが、小さな粘土で「皿っぽい」物体を作るのですら、やってみると難しい。 皿が持っている厚みのバランスや周辺と中心の比率など、単なる丸を作っても皿に見えないのだが、先ほどから作っている丸は、もうそれだけで皿に見える。 それも、手のひらの上で作っているのは、明らかに「小皿」のサイズだ。だが、眺めていると、それは小皿ではなく「大皿のミニチュア」にしか見えないから不思議だ。 ただ、店先では、それほど集中できないから、この皿のベース作りが精一杯という。 皿への絵付けは、部屋に篭って集中してやらなきゃ出来ないらしい。
そんな細かいもの好きな店主さんだが、面倒だからという理由で店の名前はご自身の氏名から「TOMI」、うーむ、面倒な人が作った作品とは思えないのだが… そんなTOMIさんのお気に入りは、このとぼけた顔のクマさん。 「ボケッとしているでしょ?」 「でも、坊やをダッコしているのよ。」QVGAサイズなので携帯の待ち受けにドウゾ。 「てへへ、ボク、ここだよぉ」 こんな可愛いクマさんと、思わず見とれてしまうミニチュアの数々と、いろいろお話してくださったTOMIさんのお店「TOMI」は、パン屋「スイート」さんのお向かい。 この、ミルク缶にハマって出られなくなった、いたずらッ子が目印。 「た、助けてクマ〜」 そんな訳で、スルメのようなナワテ通り、噛めば噛むほど味が出てくるのは不思議だ。 もちろん、お出かけで取り上げるからとワイロを貰って提灯記事を書いているのではないし、そういう提灯記事なら、もっとまともに文章が書けるプロに頼むだろう。 あまりにも誉めすぎたので、言い訳の1つも書いておかないと誤解されるかもしれないが、ホント、この通りに魅了された人間の1人として感想を書いているだけだ。 ナワテ通りの魅力は一口では語れない、店に並んでいる妖しげな骨董品や古美術品に足を止めるのも良し、行き交う人を眺めるのも良し、個性的な店主さんたちと話をするのも良し。 人それぞれに楽しみ方が発見できて、開拓できるのが楽しいところなのかもしれない。 別に、気取っていない普段着の人たち、むしろ人間臭い部分の方が多いが、それは「思い出のあの頃」を美化しただけの箱モノ施設より、よっぽど面白いだろう。 【おまけ】 ウインナーの呼称は日本農林規格(JAS)で決まっている。 広い意味では、たいていの物がソーセージとなり、ウインナーソーセージはその分類の1つ。 この看板は紛らわしいようで、間違った事は書かれていない。 是非、列に並びながらウンチク語ってみよう。 |
本日の好日度:★★★★★ 「ついつい買ってしまった」 |