Go!Go!お出かけ〜気が向いたら更新200メートルの奥深さ 〜姿見不動滝 下伊那郡清内路村〜2007/09/02 |
緑豊かな深山の奥 人知れず流れ落ちる滝 そこには神が宿るという ドライブ中に偶然、このような看板を発見したので、立ち寄っただけ。 唯一の難点は、看板を見過ごす事くらいだろうか。 この道の先に滝がある、と言われて「はい、そうですか」と簡単に足を踏み入れるには躊躇するだけの景色が広がっている。 これがホラー映画かミステリー系のゲームなら、その安易な行動は「死亡フラグ」確定となるのだが、水と平和がタダである国に育ったバブル期入社世代にそんな事を心配する能力などないだろう。 しばらく歩くと、何か見えてきた。 ずいぶんとキレイなやぐらが組まれている。 何かの神事の祭壇か?それとも展望台か? やや、及び腰になりながら、更に歩を進めると・・・ そのやぐらの向こうに見えるのは、滝だ! ふと、どこからとも無く瑠璃色の派手な色をした虫が飛んできて、行く先2メートルほどのところに降り立った。 ハンミョウ、俗に「道教え」などと言われる昆虫で、人が歩くとその先に降り立ち、更に進むと、飛んで更に少し先に降り立つ。 そうやって先導して道を教えるかの如く行動するので、道教え、と言われる。 幼い頃、昆虫図鑑を読み漁った男の子にとって、この手のメジャーな昆虫の生態は何年経っても忘れずに残っている。 そして、実は、初めて実物を目にしたのだが、こんな小さな昆虫に感動するなど、婦女子には理解できない感情だろうか。 とにかく、ハンミョウが道を教えてる様子を体験したいので、そろそろと近寄ってみる。 すると、飛び立った奴は、前方数メートルに降り立つどころか、こちらの顔面に向かって飛び込んでくるではないか。 ひえええ!思わず避ける。 突然の事で驚くしかなく、写真も取れず、ガッカリするしかない。 だが、もしかして「これより先に進んではならぬ!」から来た道を帰れという事か? 人間様の英知をかけて、先に進んでやる事にする。 最近は身軽に気軽に登山の真似事をして遭難する中高年が増えているようだが、たかだか200メートルでトトロやもののけ姫の2〜3人は住んでいそうな森の中だ。 人の英知など、タカが知れている。 ということで、冒頭の写真の場所に到達した訳だ。 見上げるような大きな滝は、ザーザーと水が流れるものではなく、サラサラと水が落ちてくるような静かなものだ。 滝つぼにあたる赤矢印の部分まで、十分足を運べるほど穏やかだ。 海岸に立って大海原から寄せる波を眺めていると、心が落ち着く一方で、このような清流を眺めると、こころが清らになる気がするのは何故だろうか。 まぁ、だから修行僧やら行者やらは、山に入るんだろうが。 水は柔らかに落ちてくるだけだが、小さな粒状の水しぶきは、いわゆるマイナスイオン云々という奴だろう。 いわゆるマイナスイオン製品などは、巨大なダムに目薬2〜3滴を垂らした程度のマイナスイオンしか放出しない訳だが、こういう場所は別格だろう。 清々とした水しぶきが心地よい。 柔らかな音に、ひんやりとした空気。 俗世の煩悩を断ち切ろうなどと真顔で入山しなくても、下らん煩悩の2〜3個は消えてしまうような場所に立っている。 もともと、大人には見えないのか・・・ 撮影にはあの位置が向いているかもしれないが、どこかしら滑稽だ。 ややさびれた風情の鳥居と祠、季節柄、ひぐらしのなく頃は過ぎてしまったが、神事に使うのであろうか。 古くなった祠の裏には、比較的、よく手入れされた状態の道具が置かれていた。 日本の山村らしい風景だな、と山村育ちでもない人間が思うのは、ある種、日本人共通の精神的な風景なのかも知れない。 そこには、まだまだ自然溢れる風景が広がっている。 ありきたりの言葉だが、小さな自然を大切にしたいものだ。 【おまけ】 帰り道、妻籠宿に立ち寄った時に出遭ったカエルちゃん。 そんな訳で、とりあえず草の方へ。 やっぱり、カエルは面白い。 |
本日の好日度:★★★★★ 「何せ、人が来ないのが良い」 |