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ガンダム生誕30周年 〜ポートメッセなごや〜


2009/07/25
mizuno-ami
「GACKTに会いたい」

その一言で、土曜日の行動が決まった。
今年は「機動戦士ガンダム」の生誕30周年に当たるようで、色々なイベントが行われている。
お台場にある等身大の立像などが騒がれているが、発祥の地たる名古屋でも「ガンダムTHE FIRST〜未来創造の世紀へ〜」と称されたイベント(7月24,25,26日)が催されており、7月25日(土)には「GACKTがゲスト来る」という事で、それが冒頭の説明になる。
そんな訳で、足を運んでみた。

場所は「ポートメッセなごや」、その第2、第3展示室で行われるらしい。
会場周辺の図は以下の通り。
    開場全図
開場は10時だが、初日は大変に混雑したという情報があるので、途中、コンビニで当日チケットを買い求め、その足で会場に向かった。
名古屋港の先端とは言え、今は高速道路でサラッと行けるので、意外と便利である。
意外とスムーズに入れた駐車場に到着したのは9時を少し回った頃。
ただし、高速道路の出口で渋滞している、という頃から覚悟はしていたが、既にとんでもない事になっていた。
    ぐるッと一周
図では下側が北になるが、その北側の「メインゲート」を先頭に、既に行列が会場『周辺』をぐるッと一周しているのだ。
だから、右側の「平面駐車場」に駐車した後、必然的に青矢印のルートで「行列の最後尾」を探す事になる。
結果だけ見れば、反対方向に歩けば早く済んだのに、と思うが、人の波は既に青矢印に添って展開されており、オレンジ色で示した既に並んでいる人々とは反対向きに黙々と歩くしかない。
無論、その時点で本当に1周しているなんて思わなかったので、
    「反対側に歩いた方が早かったりしてね」
などと冗談で言っていた事が冗談ではない事に気づいたのは「最後尾」を示すプラカードを発見した時だ。
列に並んだら、行列の先頭が見えた、などと言う状況で、9時30分ころ、赤印で示した辺りで「最後尾」のプラカードを発見し、素直にそこに並んだ。
もちろん、今までは最後尾を求めて歩いていたが、列に並んだ時点ではまだ開場となっていないので、まずは30分はこのまま待つ事になる。
幸い、名古屋港という場所柄、風は吹いているし、陽射しが強い時もあるが雨が降るには至らない曇り空なので、まだ助かる。
そうこう言っているうちにも、列は順に後ろに伸び、空いている場所に更に複雑に列は伸びた。
ああ、先ほどの最後尾のプラカードが、もうあんな遠くに……
さて、列に並んでいる事以外にやる事がなくなったので、後から後からやってくる、最後尾を求めて歩いてくる人々を眺めていたのだが、これが年齢層や外見が色々で、いわゆる「オタク」っぽい人ばかりではない事に驚かされる。
「ガンダム」支持層の幅の広さを伺わせるが、その中でも明らかに「GACKT目当て」の層が混じっているのも面白い。
また、ガンダムなどのキャラクターをデザインしたTシャツを着ている人はそれなりに居るが、思ったよりもコスプレの人々は少なかったか。
ただ、列の途中にマチルダ中尉が静かに並んでいるのを見かけたときは、ああ、ガンダムだな、と無性に嬉しくなる。
楽しい人間観察と、女性が持っている日傘のありがたみを交互に感じながら、既に入場チケット(大人1人2,200円)を買っていなければ、とっくに帰っちゃったろうな、と思うほどの精神時間が過ぎたころ、列が少しずつ動き始めた。
そして、多くの人々が「う、うごくぞ!」と言った事だろう。私のように(笑)

微速前進0.5(は別のアニメのネタだ!)の中、「立体駐車場」の入口付近でとても気がかりな事があった。
10時を回って、高速道路の出口から近い平面駐車場から、遠い方の立体駐車場へ車が多く流れてきた頃、係員が人の列を一時止めて、車を立体駐車場入口に誘導しているのが見えた。
今から入ろうとするオレンジ列の最後尾と、今から最後尾を求めようとする青列の先頭が、一時的に係員に遮られたあちら側に見える。
    あれ、先頭の奴が後ろに並べば、列になるんじゃないのか?
と思ったら、やはり途中から列がショートカットをしているではないか。
怒りの声を上げるオレンジ列の人々、しかし、青列からも声が上がる。
    ここに並べと言われて並んでいたんだから、こちら側でも並んでいたんだ
と。
いやいや、少なくとも「最後尾」のプラカードを見たのか?と問いたいが、馬鹿馬鹿しくも、この不可解な「合流地点」には誰も係員が居ない。
この地点に到達したのは、11時少し前。
並び始めた頃から考えれば、軽く1時間半は並んでいる。そして、今でも、最後尾を求める青列が途切れていないのだから、冷静に考えれば、彼らの言っている「こちら側で並んでいた」というのも胡散臭い。
どうも、この手の情報弱者が増えたおかげで、馬鹿なマスコミに扇動されて首相を叩いて喜ぶ低劣な人間が増えたのか、と思うのだが、一方で、係員が居ない以上は、どちらの言い分も状況証拠でしかない。法的に言えば、ドラえもんでも助けにこない限り真実はわからない。
この「2列の謎」は、濃いミノフスキー粒子の中に隠れてしまい、その真相はわからないが、これ以上の騒いでも仕方がないので、主催者側の警備員配置の少なさに八つ当たりしつつ、歩を進める。くそ、忌々しい。

ああ、ようやく一周して、入口だよ。先ほどの見慣れた風景だよ(笑)
既に11時を少し回っている。
「GACKT」は11時30分から。
遠くの方に、ある「ザク頭」を眺めつつ、急ぎ足で会場に向かう。
会場が暗くてよく分からなかったが「こんな前の方で良いのかな?」と喜んで並んだ場所が、実は、このイベントブースの半分くらいの場所だった時には驚いたが、何とか肉眼でステージ上が見える位置で立ち見する事にする。
幸い、モニターも見やすいので問題がなかろう。
というところで、このステージは撮影禁止なので、イベント終了までは写真は無し。
Ohyoi3お目当ての「GACKT」に、ガンダムの監督である「富野由悠季」という組み合わせに、テレビ局の女子アナウンサーと、安っぽいシャアの格好をした芸人の「ぬまっち」という奴の4人によるトークショウ。
最初は、真面目に緊張して進行がたどたどしい偽シャアと、富野監督の早口と、ボソボソ喋るGACKTのために分り難いものであったが、次第に耳慣れてくると楽しめるようになる。
GACKTがどこかの会場で2万人を前に「ジーク・ジオン!」のコールをして会場全体がジオン公国と化した話の後、富野監督は、羨ましく感じたのだろう。
「では、この会場でも」という流れになった時、真っ先に前に出てきてコールを始める富野氏。早い、早いよ!(笑)
また、GACKTによるガンダムシーンのモノマネ、というあまり他所では見られないような状況も展開され、「独房に閉じ込められるアムロ」や、「デギン公に『ヒトラーの尻尾』と言われるギレン」のシーンを1人で演じるなど、オタク的好感度が上がる事もあり、ギレン総裁@GACKTによる「ジーク・ジオン!」により幕が閉じるまでの1時間は、ずいぶんと密度の濃い、楽しいものとなった。
いや、確かにガンダムというアニメ、ではなく、世代を超えた共通言語たる存在なのだ、とつくづく思う。

しかし、だ。
こういう場所を写しちゃダメだ、というのは常識だと思っていたのだが、Ohyoi3の隣に居る10人中9人が第一印象をオタクだと断言するようなデブが、パシャパシャと撮影しているではないか。
おそらく、会場の色々な場所で行われているんだろうが、少なくとも、この脂デブなど撮影してご満悦な上に、途中で飽きたのか、その場を離れようとする。
実は「立っていると迷惑になるので」と唐突に係員に全員が座らされたので、皆が苦しい姿勢で座り見をしている状態だったりする。私なんぞも、望まずと正座のスタイルとなってしまい、これは何の苦行だ?と思いながらも耐えていたら、その苦しい姿勢に耐えられなくなった人々がその場を辞するという状態になった。おそらく、コイツもその1人だろう。
正義感で言うのではなく、個人的な感覚で言わせて貰うなら、色々と迷惑である。

また、迷惑と言えば、始まる前、立ち見で並んでいた頃、後ろの方から「車椅子」とそれを押す男性のグループがやって来た。
特に「すみません」の声をかけるわけでもなく、車椅子だから前に出て当たり前だ、とばかりに迷惑そうな顔を向けても無視して前に進み出てくる。
人がすれ違えないような場所で、車椅子が割り込めるスペースなどないのだが、それが実際にここまでやってきた事を考えれば、ずいぶんと強引な方法で前に来たのだろう。
それでも「車椅子だから」と、周りも何も言えずに避けるしかない状態。
しかし、当然だが、周りが立ち見なので、車椅子に座っていると見ることが出来ない。
だから、といって、その車椅子の車椅子に座っている男が立ち上がって見ている、というのは、どうなのか?本当に身障者なのか?と疑問に思ってもバチは当たらんだろう。
いや、車椅子などの身障者に対して、何らかの親切をするのは義務ではないし、そういう人々が他人の手助けを受ける事も権利ではないと思っている。
少なくとも、個人的な義務感を感じないし、マイ車椅子ではなく「国際展示場」と書かれた、明らかに会場で借りたような車椅子に乗り、人にぶつかりながらも「すみません」の一言もなく前に出てきて、立ち上がって見ているような車椅子の乗り手に対して、親切にする心など持ち合わせていない。
「歩いている姿」を見たわけではないので断定はしないが、勝手に推測するならば、この手の「弱者」を装い、様々な親切を権利だと勘違いして主張する連中など、在日とかエセ同和・部落の連中というロクな人間ではないだろう。
心の狭い人間と言われようが、自分が施したくないと思うような奴にくれてやる親切など持ち合わせていない。
だが、その場で言えるほどの気丈もないし、また、周りの雰囲気もあるので黙っていたが、せめて、こういう奴が混じっている可能性は書き残しておかねばならないだろう。

さて、そんな訳で、朝から腹立たしい事ばかりだが、幸いにしてトークショウの楽しさの方が若干上回ったので、差し引きでプラスになったイベント。
空腹を覚えてきたので、慌てて食事にしたが、「高山ラーメン」+「ドリンク」を2人前で1,900円とは、どうなのよ?
まぁ、仕方がないか。お祭り会場だもんな。
しかし、たまたまカウンターがガラ空きだったので、少々心配になり「ここで注文できるんですか?」と問うたほどだったが、後からトレイを返しに行ったら、大行列になっていた。ああ、小さな幸運だ。

さてシャアザク型の「ふわふわ」がとっても残念なことになっているが、会場はどちらかと言えば、文化祭を少し大きくしたような程度。
規模は大きいが、本当に2,000円ほどの価値があるのかは、人によって違うだろう。
「マチルダさんとの記念撮影」も顔を出してみれば「ふわふわ」以上に残念なことになっており、それも、ひとは口々に「アムロじゃないじゃん!」という有様。
それでも良いんだ、それがガンダムだもの、とばかりに会場をさまよう多くの人々。
「顔出し」から顔を出したりして晒し者になりつつも、順番を守って撮影している人々に対し、周りの人々は意外なほど協力的だ。

しかし、実物大のザク頭、大きいなぁ。
これを見ると、お台場のガンダムなど、ものすごい迫力なんだろうと、思う、が、って、おお、光ったぞ!
単なる「ピンク色のライト」だが、会場の多くの人は「睨まれた」と思わざるを得ないはず。
いや、あの「目で睨まれた」ら、結構、怖い(笑)

文化祭っぽいのは、こういうところにもあろう。
「オデッサ作戦のジオラマ」と言っても、興味のない人から見れば、単なるプラモデルがたくさん飾ってあるだけ、という状況。
こういうのは、むしろ、周りに集まった人々の姿を眺めている方が楽しいような気がする。

サブタイトルに「未来創造の世紀へ」とあるように、ロボットエリアという産学のエリアが設けられており、実際のロボット技術も紹介されていた。
うーむ、微妙なデザインのロボットが並んでいるな。
せめて、ドロッセルお嬢様を並べておけば良かったのに、と思いながらも、現実の壁を知る。
一方で、アニメの方はこれだ。
まだまだ、二次元の圧勝か!と思うが、うむ?こいつは可愛いかも……
いや、確かに可愛い!
アメリカ人にロボットを作らせると、必ず反乱して大変な事になるので、この手のロボットは「萌え」を味方にした日本人にやらせるのが良いんだろう。
ガンダムで行け行けドンドン、で良いんじゃないかと、心の底から思う。

そんなロボット好きの日本人が、会場に残すメッセージは如何だろうか。
こんなボードが設置してあり、多くの人々が思いのたけを書きなぐっていた。
「俺がガンダムだ!!」ってのは、他局のスパイか?と思うが、ここに書かれているセリフの多くが劇中などで登場したセリフであり、分る人には分ると言う不思議なボードに仕上がっている。
ウチのセンセイもせっかくなのでと、自身のキャラクターを描いてみた。
そして、後から見て気づいたのだが、このオレンジ色のペンでザクを描いたと思われる人、「ガンダム大好き 婚活中35歳!!」と書いていたのだなぁ。
やはり、ガンダムもほどほどにしておく方が良いと思う。

さて、物販コーナーも見てみよう、と思ったが、既に「2時間待ち」という状態。
うーむ、まぁ、いいか。
お土産などは、ショーケースのモノを写すだけで済ませておこう(笑)

という事で、13時半を過ぎたころ、そろそろ帰り支度。
入口に、でっかいガンダムの絵が飾ってあるのを眺めつつ、表に出てみると、まだまだ、列は続いて驚く。
ガンダム人気は、全然、弾幕が薄くない。
こういうイベントが催されるのは、ガンダムが一時のブームではなく、皆の心に根付いている、という事を表しているんだろう。
ミュージシャンだか何だか良く分らないGACKTという「舞台の上」の人が口にするガンダム話ですら、その会場全体で話題として共有、それも世代を超えているという点は特筆すべき事だろう。
生誕30周年。
30年前と言えば、ガンダムよりもむしろ、ジオンが開発するこれらの異形なモビルスーツのカッコよさに憧れていた子供だった頃だろうか。
しかし、今では偉そうな口を叩きつつ「ガンダムのイベント」なんぞで、様々なモノを見て笑ったり怒ったり出来る年齢になっている。
そして、いまだに魅力褪せぬ「ガンダム」という世界に驚きつつ、ただ、感心させられる。
今後も、ガンダムと共に過ごすであろう人生に向け、落書きコーナーに残されていたこのセリフを肝に銘じつつ、会場を後にする事にした。
まだまだ並んでいる中、ようやく見えた最後尾。
カメラを構えたら、わざわざ、こちらの方にプラカードを向けてくれた、会場係のお兄さんに敬礼!
本日の好日度:★★★☆☆ 「ガンダム万歳!」