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ホトちゃんよりココちゃん 〜愛知県・豊川稲荷〜


2009/08/16
mizuno-ami
あまりテレビは見ない方だが、旅番組は嫌いじゃない。
そんな生活の中、毎週土曜日のお楽しみは、ローカル・テレビ愛知で放映している「遊びに行こっ!」という番組。
かつては「マナ・カナ」が出演していたが、今は、お笑い芸人「雨上がり決死隊」の蛍原徹さん、通称「ホトちゃん」が出ており「ホトチャンネル」などと副題が付いている。
地元をぶらりと旅する番組の1つで、ここ東海地区では、他に、西川きよしや板東英二らが徘徊している。

さて、そんなホトチャンネル。
15日の放送で、そんなホトちゃんが足を運んでいたのは「豊川稲荷」だ。
いなり寿司などを大袈裟に食べているが、意外と好感が持てるのは、ホトちゃんのキャラクターだろうか。
半分は演出だろうと思いつつ、画面の向うを眺めていたのだが、それを見ていた、我が家に巣食う酒の神・バッカスらの画策により、足を運ぶハメとなった。
盆休み、最後の日くらいゆっくりして居たいし、どうせ、テレビで放映された翌日だ。
「テレビを見た」という愚民どもが押し寄せて混雑するに決まっている。
それも、タダでさえメジャーな「豊川稲荷」なのだ。
その上 『1,000円高速』で、混雑する筈だ。
1万5千回以上も夏休みをループした宇宙人の気分になりつつ、真夏の昼下がりの豊川稲荷へ向かった。

比較的簡単に見つかった駐車場。
人の良さそうなすし屋のオバちゃんに、に自己申告制の駐車場代500円を支払い、さて、表参道を見ると……
    参道
キツネより閑古鳥なのだ。
何かの間違いでゴーストタウンと化したかのような表参道を抜け、キツネにつままれた気分で豊川稲荷に向かう。
    豊川稲荷
うーむ。
四柱神社(松本市)の方が、圧倒的に人が居るんじゃないか?

まぁ、しかし、何だから、まずはお参りに行こう。
門をくぐると、それはそれは立派な灯篭などが出迎えてくれるので、少し驚く。
    豊川稲荷
もっと人が溢れている「お千代保稲荷」には存在しないオブジェが大量に設置されているのだ。
    豊川稲荷
鳥居なんかも立派なものが、でん!と立っており、おそらく、異教を嫌うあの連中など見るのも嫌になるんじゃないかと思うような立派さだ。
    豊川稲荷
階段を登って、豊川稲荷本殿に足を踏み入れると、そこからは「100円」が基本通貨となる。
しかり、線香のようなモノ一束100円、ロウソク1本100円、おみくじ1回100円といったところ。
もちろん、商売の神様で不心得モノなど居ないのであろう。全て、セルフサービスで行われ、見ている限り、不心得モノは見当たらなかった。
それにしても「デカイ」な。
    豊川稲荷
大提灯同様に、敷地の広さもデカイので、照りつける昼の太陽の下、フウフウ言いながら歩を進めるしかない。

さて、あらかたお参りも気が済んだので、今回の目的の1つ「おきつねバーガー」を食べに行く事にする。
昨日、番組の中でホトちゃんが食べていた「おきつねバーガー」とは、油揚げでトンカツを挟んだハンバーガーのようなモノ。
何だか、美味しそうに食べていたので、こちらの気分も高まる。

店は、すぐに見つかった。
看板などに頼らずとも「おきつねばーがー、おきつねばーがー」などとオバちゃんが連呼しているので、迷う方がどうかしている。
ホトちゃんを見たと思しき先客に次いで、おきつねバーガーを注文する。
いちいち、油揚げを揚げるところから作るらしく、少々、時間がかかるようだ。
昨日は、川遊びで石を積み上げ、ダムを作って遊んでいたが、その疲労と筋肉痛が程よく襲い始めた頃、おきつねバーガーが登場した。
てゆうか、揚げたてだ。熱いぞ、これ。
    おきつねバーガー
揚げたての油揚げは初めてかもしれない。
食べられない熱さではないことを確認して、一口かじる。


ふむ……


蛍原、ちょっと来い!
いや、不味いとは言わない、むしろB級グルメであれば「アリ」の部類だろう。
しかし、テレビ的な笑顔で褒めすぎではないか、蛍原徹さんよ。
    おきつねバーガー
中に挟んであるのは、野菜の他、トンカツとトマトケチャップ。
トマトケチャップは、おそらく「素のトマトケチャップ」だろう。
揚げたての油揚げで挟む、という発想は悪くないと思うのだが、せっかくの中身が「昼のサービスランチ」の片隅のようになっていてもったいないのだ。
例えば、シイタケの肉詰めのようなモノを挟んで、染み出る油揚げの味と、シイタケや肉汁を堪能するような組み合わせにしてみるとか、もう少し、その組み合わせの妙を追求すれば、他が追従できない名物に化けるんじゃないかと思えて仕方がない。

一方、五目の具が入った「いなり寿司」は、悪くない。
    いなり寿司+かんぴょう巻き
若干、色が濃い目になっているのは、この地の仕様であり、一般のものに比べると、甘辛い感じがしなくもないが、サッパリした五目の具と相まって悪くない仕上がりになっている。
ただ、勘違いしてはならないが、いなり寿司がどれだけ美味しくとも「美味しいいなり寿司」以上のものにはならない。本レポートを読んで過度の期待をしないように、予めお断りを入れておく。
ちなみに、海苔巻は「かんぴょう巻き」だ。
ウチの母が好物というシロモノだが、こんな貧乏臭い巻物が好きな親の子は、カッパ巻きが好物という、やはり貧乏臭い巻物好きだ(笑)

さて、やる気のない表参道のやる気のなさは、カキ氷を売っている店の店頭で活躍しているのが家庭用の「ドラえもんの氷かき器(手動)」であることを見れば、おおよそ分るが、そんな緩い空気の通りを、ダラダラ歩いていた中、ふと、布団屋の店頭にこんなモノを見つけてしまい、とても興奮してしまう自分が居た。
    狐娘ちゃん
狐の娘と書いて『狐娘(ここ)ちゃん』だそうだ。
ネットで調べると、2007年9月に販売が開始されたようだが、店頭で、ほどよくホコリをかぶり、くたびれた袋に入っている状態の2009年8月には、さほど話題にもなっていないのだろう。
そして、店頭にあった4つ全てを買い求めた自分など、店主からみれば、奇異な人間に映った事だろう。
タダの奇人ではなく、多少は常識的な会話ができる人間である事をアピールするため、このガラガラの状態について店主に尋ねてみると、盆の時期は人は居ないそうだ。なるほど。そういう物かと思いつつ、狐娘ちゃん@600円を4つ買い求めた次第だ。
代金の2,400円のうち、2,000円を先に手渡し、後から、小銭入れから500円玉を出したのだが、その小銭を受取る前に、既にレジから釣銭を出そうとしている姿を見る限りでは、厄介な在庫だったのかも知れない。

何にしろ、この狐娘ちゃん、そのディテールが楽しい。
    狐娘ちゃん
世の中には「ポニーテール萌え」という属性があるようだが、この尻尾を模した後ろ髪は、果たしてポニーテールなのか、乙なのか。
また、不謹慎な話なのだが、短い着物の下は、はいてない……
    狐娘ちゃん
しかし、単に「萌えキャラ」として登場しているだけではなさそうだ。
    狐娘ちゃん
「渡辺人形」は、駐車場の隣にあった地元のお店。
こういう、何だか分らない萌えキャラが地元で愛されているのは悪い事じゃないだろう。
まぁ、布団屋の店頭でホコリをかぶっていたけれど。

そんな訳で、後ろ向きな気分で足を運びつつ、行ってみれば、混雑もなくて、むしろ、のんびりとした時間を楽しめた豊川稲荷とその界隈。
色々な意味で裏切られた数時間だが、公式サイトの地図を眺める限りでは、ほんの一握りの界隈を散歩しただけである事が分った。
またいつか、足を運んでみたいと思う。
    狐オブジェ
本日の好日度:★★★★☆ 「狐娘ちゃん票」