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観察者 in 聖火リレー 〜長野県長野市内〜 「05:やりたい放題の序章」


2008/04/26
mizuno-ami
小休止の後、駅の反対方面に向かう。
幸い、雨も止んでいるようだが、かなり寒い。
ひとまず、人の流れに沿って「栗田北中」の交差点にたどり着く。
展開されていたのは、先の駅前の騒動が「子供の遊び」に見えるような状況だった。
沿道を埋め尽くしている大半は、赤い旗。
対岸もこんな感じだ。
要するに、交差点の「角」という、見栄えの良い場所をキッチリと確保しているのだ。
こうなると、どこの国のイベントなのか分からなくなってくるが、少なくとも、沿道で聖火リレーを見ようとやってきた一般の人々が、怖くて遠巻きに見ざるを得ない事は確かだ。
MY脚立を歩道ギリギリの一番良い場所に置いて、眺めていると、自分の周りも既に赤い旗だらけという状態。
皮肉にも、旭日旗を掲げる新聞社の前で、大量の赤い旗が振られている。
しかし、駅前に比べ、様子が異なっている。
おそらく、警察の「まぁまぁ」が逆効果になったのか「逮捕される事がない」と知ってしまったのだろう。
明らかに、活動がエスカレートしている。
例えば、交差点の真ん中で旗を振る中国人。
これは危険であるし、取り締まるべき行為であろうが、こういう風景が当たり前になりつつあるのが、今の時間、この場所なのだ。
興奮する群集。
高々と掲げる中国旗は、しばし信号を隠してしまう程だ。
警察官に指摘されて、ようやく気がつく中国人。
チベット旗を見て、ブーイングする声も、先ほどとは比べ物にならない。
何が気に入らないのか「カエレ、カエレヨ」と叫ぶ中国女。
留学か旅行か知らないが、他国に来て帰れと叫ぶ権利などない筈だ。
ヒステリックで感情的なのは、国民性なのかとつくづく感じる。
「自分の望まないことは人に仕向けないよう!」
いや、そっくりお返ししますわ、と言いたいところだが、既に周囲は群衆に囲まれている。
対岸のチベット擁護の一角からみると、完全に「中国人側のスタッフ」に見えるだろうが、朝日新聞で脚立に乗ってカメラを構えていた黒装束のメタボデブは自分です。
売国奴ではなく、せめてスパイと呼ぶように(笑)

時刻は9時30分を回ったところ。この場所に聖火が届くまでに2時間ほどあるらしい。
これだけ人が集まっているのだから、もうすぐ来るんじゃないかと勘違いしてしまうが、そうではない。
2時間も暇な奴らだ、と思うが、逆を言えば、聖火の沿道、すべてにこの程度の中国人が配置されている事になろう。
ずいぶんな統率力だが、現場が暇なのも確かだろう。
次第に興奮し、手持ち無沙汰になった連中が、旗を持って走り回る。
無言で歩き回るしか出来ない、チベット側の抗議行動。
しかし、赤い旗は容赦なくブーイングを投げかける。
駅前にいた時、ウヨクの方々が使っていたのは、ボタンを押すと「フリーチベット!」「チベット!」などと幾つかのセリフを切り替えて連呼する大きなメガホンで、たまにマイクを持って合いの手を入れていたのだが、中国人に関しては、そんなメカは必要ない。
誰かが「ほんごん」とか叫べば、勝手に「じゃいあん」と呼応する。
それは1つのうねりとなり、その場を包み込む。
ハイテク兵器に身を包んだ日本の自衛隊、数に物を言わせ、機銃1丁を持たせて攻め込ませる中国軍、何が平和かはさておき、とても多くの「捨て駒」を自由に扱える国は強いなぁ、とつくづく感じる。
今でこそ、ロープと警官によって止められているが、いつ、騒乱に発生してもおかしくない状況だ。
もちろん、こういう車もしっかり走っている。
名古屋ナンバーのレンタカー。

不意に、中国人が暴れて警官に取り押さえられる。
「あれを見ろ、あれを見ろ」としきりに指を指す。
どうやら、彼らの中で「抗議のためなら、法律は無視しても構わない」というのが常識なのだろう。
「先に手を出した」かどうかが問題であって、その事に対して、自分らが法を破る事は関係ないというのは、いわゆる「愛国無罪」に通じる事なのだろうか。
そんな皆が注目を集める中、1本の旗が振られて道路を横断する。
一斉に皆がリアルに『( ゜д ゜)ポカーン』という表情を浮かべる。
思わず失笑するシーンだが、数の理論で言えば、こういう方法しか採れないチベット擁護派の捨て身のパフォーマンスだろう。
振られた旗を写そうと、カメラを向ける。
興奮した中国人が振り回す旗……。
気を取り直して、もう一度。
自国に不利な情報をシャットアウトする中国政府よろしく、目の前に翻る大量の中国旗。
実はもう1枚と合計3回に渡ってシャッターが邪魔されたのだが、ようやく写すこことが出来た旗は、この旗だ。
「虐殺五輪」と言われるる北京オリンピックに反対する旗だが、これを「表現の自由」と看過できないのが中国人だ。
「やられたらやりかえせ」とばかりに、警官の制止を振り切って飛び出す、赤い旗。
取り押さえられている奴は、さっきの「あれを見ろ」の奴ではないか?
そして、沿道から投げつけられる怒号。
揚句に、混乱に乗じて、他の連中までもが旗を持って走り出す始末。
横断歩道の真ん中で、旗を振り出す中国人。
帽子を飛ばして必至に取り押さえる警察官。
問題は、こうやって取り押さえた連中をそのまま「放流」する事だろう。
こういうシーンを何度も目にしたが、現場の警官は、よく動いていたと思う。
だが、取り押さえた後、拘束して隔離しておくとか、速やかに逮捕するとか、そういう姿勢で臨まなかったことは大きな問題であろう。
個々の警察官に対する評価が、警察などの組織全体の評価で打ち消されてしまう点は、非常に残念だと思う。