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観察者 in 聖火リレー 〜長野県長野市内〜 「06:騒乱の中で」


2008/04/26
mizuno-ami
次第に高まる緊張感。
1台のバスの登場が、張り詰めた空気を現実のものにする。
何かしらトラブルだろうか?
尋常ではない表情で詰め寄る中国人の姿が見える。
たちまち駆けつける、警察官。
こちらから見ているだけでは、何が起きたのか分らない。
騒乱。
偶発的というより、起きるべくして起きたというところだろう。
何だか、状況がわからないうちに、後続車のトランクが開いていて、何か行われている。
こちら側の沿道でも、状況がわからずイライラ感が募っているのが分る。
いまだ集まったままの緊張感の高い群集たち。
どういう経緯か知らないが、乗りつけたバスの後部に中国旗が挟まっている。
完全に交通が遮断されているので、場を治めようと警察官も必死だ。
ひとまず、バスをそのまま行かせようとしたのだろうか、バスが動き出そうとする。
しかし、その瞬間、飛び出して行った中国人の若者が、旗を奪取した。
それをキッカケに、いや、言い訳にでもするように、あちらこちらから飛び出す人々。
もはや、騒然などと安易な言葉では言い表せない状態が数メートル先で行われている。
交通など完全に麻痺している状態で、何とか撤収させる警察官。
周囲の中国人からは、興奮の度合いが上昇している事が窺える。
人垣であまり前が見えなくなったところに、脚立なんぞを持ち込んで写真を撮っている自分を見た中国人が中国語で「お前、良いもの持ってるなぁ」などと笑いかけてきたが、ひとまず、無言でニッコリ笑っておいた。
何とも、後味の悪い感じのまま、幕引きになりかけたに見えた現場だが、どうも対岸の様子がおかしい。
誰かが倒れているようだ。
それを知り、感情に火がついたのか、飛び出して制止される中国人と思しき若者。
何だか、車道に出て、旗を振り始める奴。
いきなり、酒を飲み始める奴。
って、これは関係ないかが、この状況で良く飲み食いが出来るものだと感心する。
いや「沿道の聖火リレー」を見に来たのなら、こちらの方が正解であろう、むしろ「この状況」が異常なのだ。

程なくして到着する救急車。
心配なのか、沿道から飛び出す中国人も何人か取り押さえられる。
目の前にいた中国人も、今にも飛び出しそうなところを、警察官が必死に説得している。
中国人たちがしきりに、警察官と押し問答をしている。
    「向う、静かにしろ!」 「こっちが一緒になっても、しょうがないでしょ!」
音声はこちら→押し問答(mp3、約1分)
激昂する中国人、応対する警察官。
後半、「カエレ、カエレ」のコールが上がるが、これは、ちょうど集団の中をチベット支援の旗が通り過ぎた時に起きたもの。
もはや、中国旗以外の旗は見つけることすら出来ないが。
そういうゴタゴタがある中で、怪我人が救急車に乗せられた。
そして、搬送されてゆく。
しかし、まだまだ人々の興奮は、簡単には冷めないようだ。
食って掛かるような人も、少なくない。
怪我人が出た事は残念だが、むしろ出ないほうが不思議なくらいの状況。
一触即発の状態は、常に続いているし、通り過ぎるチベット旗を持った人を後ろから小突いたり、帽子を叩き落とす光景もしばし目撃した。
先にお伝えした通り、ここは中国人席のど真ん中。
対岸、先ほど救急車が到着した辺りも、中国人で埋まっていることも、お分りかと思うが、交差点の他の角の様子も、すべて赤い旗だ。
もはや、これが日本の長野市内の光景には映らない。
一言で言えば、異状だ。
いかに、日本に多くの中国人が来ているのかが良く分るし、何かのキッカケで簡単に暴動が起こせる事も確かだろう。
ネットなどで見聞きして、サヨクが親中的だ、と揶揄する声は少なくないが、こういう状態を肌で感じた経験は、単なる文字情報では表せない怖さを持っている。
高級車から中国旗を出してアピールする中国勢。
さすがに「ハコ乗り」は注意されたのか、少々、おとなしい感じがしなくもない。
まぁ、黄色い線を跨いでの針路変更は道路交通法に違反だろうが。
折りしも、そろそろ聖火が通過する頃。
興奮覚めやらぬ中で、規制によって交通量が減ってきた矢先、自動車によるアピールは、思いのほか中国人からの絶賛の声を浴びていた。
人々の注目を集める中、たまたま横に止まったタクシーから、掲げられる唐獅子旗。
ノーマークだっただけに、沿道が一瞬空気を失い、直後、ブーイングと賞賛の声が鳴り響く。
こんな大きなものを持ち込んで、何をするか分っているであろう「中央タクシー」に対し、個人的に賞賛を送りたい。
また、このタクシー会社の行為を批難するのであれば、こんな騒乱を招くために長野に中国人を送り込んだバス会社にも同様の抗議を送って頂きたいものだ。
交差点を足早に走り去る2台の車、どこかしらメンツを潰された中国側の後姿が哀れに映るのは、自分だけだろうか。
まもなく、聖火がやってくる。
そして、再び雨が降ってきた。