Go!Go!お出かけ〜気が向いたら更新

観察者 in 聖火リレー 〜長野県長野市内〜 「07:誰のためのイベントか」


2008/04/26
mizuno-ami
警官隊が配備される。
その景色を見る限り、どの国のイベントなのかサッパリ分らなくなる。
興奮のあまり、沿道に飛び出す人間。
わずか数時間の経験で、これを「またか」となどと感じてしまうなど、もはや、感覚が麻痺している
どこが「平和の祭典」か。
腹立たしいのは、この振り回している大きな旗だ。
どこで揃えたか知らないが、一番前の良い場所を陣取った筈なのに、振り回される旗の隙間から写真を撮らねばならぬ。
何度か、頭から旗を被る事になるが、何度も中国女性が「ゴメンナサイ」とケタケタ笑うも、何度も頭に被って、何度もゴメンナサイを繰り返すだけ。
何のために謝るのか、分っていないんじゃないか。
いや、これだとまるで私憤になってしまうが、こんな状況では沿道で聖火リレーを見ようと思っても、満足に見ることすら出来ないのは明らかだ。
人のことを考えずに振り回す、愛国の旗。
それは、彼らの基準で当たり前なのだろうが、オリンピックを開催するホスト国として、人をもてなす、という気持ちが微塵も感じられぬ所業だ。
そして、あちらから、何かが来ると期待して眺めていると……、
通過するのは、自国の応援団。
いい加減、興醒めしてくるが、飽きずに振りつづける赤旗に、寒さと空腹も手伝って怒りすら覚えるようになる。
しかし「報道っぽい」腕章をつけていれば、堂々と車道に居られたんだなぁ。
さる筋に手を回して、こっそり用意してもらえば良かったか?(笑)

さて、聖火の登場。
まずは、聖火ランナーを乗せたバスがやってくる。
脚立の上に立っているのだが、旗と沿道のブロックの上に立っている中国人で、こんな写真しか撮れない。
駅前で右翼風の方々の中で写していた時は、飛ばす野次に、ガラが悪いなぁ、と思いこそすれ、人様が見物しているところを邪魔するような人は居なかった。
ふと、後ろを振り返ると、後ろにはほとんど人が居ない。おそらく「脚立野郎」が居るため、見えないと判断して他に移ったんだろうが、今回は何だ。
一番前に居る筈なのに、さらにロープを引き伸ばして前に入る中国人。
我も我もと後ろから押してくる連中。
揚句の果て、雨でぬれた旗を被せて、一向に改善しない「ゴメンナサイ」だ。
窓から手を振ってサービスしてくれるが「聖火リレー」のイベントで、聖火リレーが一番、どうでもよく感じてしまうような印象すらある。
何とか見ることが出来た、聖火ランナー。
激しくなってきた雨に、あの薄着では寒かろうと心配になってくる。
聖火が到着したようだが、再び、視界が遮られ炎が少しだけ見える程度だ。
確か、昨日まで、マスコミなどが「厳重な警備のなかで、ほとんど見えない」と言っていたが、確かにこれでは見えない。
ずらりと並ぶ警備の人垣。
さて、問題です。この画像の中に、聖火があります。探してみて下さい。
騒乱あり、怪我人が出て救急車まで来た、この一角。
何事もなかったかのように通り過ぎる聖火隊。
後で、NHKのニュースを見て、欽ちゃんが走っているころの映像を見たのだが、それを見て愕然とした。
あれだけ、一触即発、騒乱直前の緊張感がまるで映像からは感じられず、沿道で中国旗を振る人々と、のんきに走るランナーの様子だけが映っていた。
「一部でトラブル」などと表されるが、実際、そういうトラブルになったのは氷山の一角であり、実際の現場に居合わせた者であれば、異常な状態であった、と言う筈だ。
このレポートを眺めて、やっぱりネットウヨクなどとレッテルを貼るのは勝手だが、そういう事に興味がある人だから、と言うのは、少々待って欲しいと思う。
スポーツと政治は違うとか、いろいろ言われる北京五輪とそれを取り巻く反対派の活動。
欧米諸国の思惑もあろうが、果たしてそれだけなのかという事は、各自でキチンと考えるべきである。
「中国人は人殺し」と連呼する拡声器、一方で「アナタたちは、ナニモシラナイ!」と訴える中国人、どちらが何を知らないのか知らないが、どちらを擁護するものも、一方的に知っているだけで、大半は考えていないようにみえる。
少なくとも「一部トラブルがあったけど、無事に聖火リレーが終わった」という記事は平均的な事実を伝えてはいるかも知れないが、真実とはほど遠い場所にあるだろう。
帰り際、チベット旗を掲げた自転車が通り過ぎたとき、沿道からペットボトルを投げつけた中国人。
この事実を、どう解釈するかは、各自で考えて欲しい。

さて、聖火が通り過ぎると、一転して解散ムードになる。
そもそも、聖火リレーを応援するならば、ランナーに追従して一緒に歩いてゆくものかと思うのだが、まるで、各自の持ち場が決まっているかのように散会が始まる。
かく言う自分も、ここで切り上げる事とした。
終点となる公園は、一般人の立ち入りは出来ないらしい事と、もはや、今回の旅の役目も終わった気がしたからだ。

朝、あれほど人が溢れていた長野駅前も、もはや日常を取り戻している。
何か厄介なイベントが終わって、ホッとした雰囲気すら漂っているが、市民がどういう目でこのイベントを見ていたのか、大よそ理解が出来よう。
帰りの電車で、赤い旗とチベット旗が乗り合わせても、互いに無関心のままで居たのが印象的だった。
近くを通るだけでブーイングを浴びせていた集団が、これほどまでに変わるものかと集団心理の怖さを実感した。
だが、本当に怖いのは、個々の人物なのか、その答えは各自で出して欲しい。


また、今回、急遽同行することとなったヤツ。
支えてくれたコイツに対し、この場を借りてお礼申し上げたい。

-----------------------------------------
今回の自選ベストショット