2021年10月06日 記事
踊らされる人々

2021年10月06日(水)

●ノーベル賞受賞。相変わらず、受賞した内容よりも、下手すりゃ、その人が立ち寄った場所とか、食ってるものとか紹介しそうな騒ぎになっており、この国の報道とそういうのを見ている視聴者のスカタンっぷりがよく分かる時期になった。また、どこそこで教壇に立ってただの、話をしたことがあるだの、すり寄りっぷりに品がない。意外と、こういうミーハーっぷりな取材をするのがNHKだったりして、無駄に全国放送局網を駆使して、色々な『つながり』を見つけ、嬉々として報じている。ただ、ノーベル賞に選ばれて、初めて「ああ、そういう研究もあるのか」と思うことが多いが、同業者(笑)なんかのインタビューでは、なるべくしてなった的なコメントが多いのは、基礎的な研究として、きっちりと評価されているという話だろう。気候変動など、アメリカに渡って研究されているとのことだが、日本で研究を続けても「環境問題?レジ袋をタダで配るの止めようぜ!」とかいうバカな連中に加担するような話しか出ないんだから、そりゃ日本から出て行くわな。●炊飯器について、ちょっと面白いニュースが話題になっている。アイリスオーヤマが発売した炊飯器。『米を踊らせず、粒立ちがいい』、高級炊飯器の中に『おどり炊き』を前面に出しているものがあるが、その実、実験をしてみると、特に中で米は動いていないという話。3色に着色した米を層状にして炊いても、3層のまま炊きあがっていたとか。ネットでは「おどり炊きに踊らされていたは米じゃなくて消費者か」などと言っているが、短絡的にはそんな感じだろうか。ただ、それも、窯の中で米が位置を変えてまで移動することを踊ると称しているのかどうか、その定義によって話が違ってくる。イメージ的には、米が自由に動き、熱だの水分・蒸気だのの対流を妨げないことが良しと思っているので、何も上から下まで動く必要はなかろう。そう思えば、「おどり炊き」を否定する理屈に、さらに踊らされているような気もしてくる。ただ、売り場なんかに置いてある映像では、イメージと称して、おかゆのように米が水分の中を動き回っていたりするので、広報だの営業だのの行き過ぎ感はあろうか。何だか、ノーベル賞の報道と似たような話にもなるか(笑)。件の『おどり炊き』はパナソニックだが、今でこそぱっとしない国内メーカーも、白物家電や調理家電のノウハウはバカみたいに持っているので、否定論が出ても、直ちに見限る気にはなれず、むしろ、でも、アイリスじゃん、みたいな気分になるのは古臭い人間だからだろうか。★☆★
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