Amazonプライムで視聴できるようになっていたので、1と2を見てみた。
バカバカしい話のようで、のめり込める要素があり、よく出来ているなぁ、というのが正直な感想だ。紙芝居みたいなのに、どうして魅力があるのか不思議だが、画力が全てでないのは『進撃の巨人』あたりが物語っているだろう。いや、原作は、もう少し頑張れと言いたいが。
けものフレンズの話に戻ると、1はSF的な要素が随所に散りばめられており、出てくるフレンズと呼ばれる動物たちも、人間に似て非なる存在として上手に描かれている事に気付く。姿や形が人間に似ているものの、「あれ?ちょっと違うぞ」という部分を上手に描くのは難しいが、一見、幼児アニメ・萌えアニメ風の絵柄だと、かえって違和感を描きやすいのかも知れない。
結果的に、よく出来た謎解きSFモノとして完結しているが、その内容は、それほど量的に多くない。しかし、アニメの1クールに収めようとすると、中身はそれほど詰め込まなくても良いのかも知れないとさえ思えてくる。
一方で2になると、若干、様子が変わってくる。何というか、今風の萌アニメのテンプレートに沿った、典型的な萌アニメに仕上がっており、そういうのが好きな層には受け入れやすいが、謎解き要素は乏しく、むしろ、前作の答え合わせを断片的に見せている感じがした。
大きな違いは、主人公らと共に行動する『カラカル』の存在でも垣間見える。
前作に登場したフレンズは、お笑いで言えば、『ボケ』の側の存在で、それは、役割りとして与えられているのではなく、人間じゃないことを表現した結果、ボケた風に見えるから面白かったのだ。
2で登場したカラカルは、ツッコミ役であり、結構、厳しくツッコミを入れる。さらに、ツンデレ属性を持っており、天然ボケたフレンズたちとは違った形で動いているが、萌アニメ的要員には欠かせないにしても、前作でイメージされたジャパリパークに存在するには、やや異質に映る。
同じような雰囲気の絵柄で、小馬鹿にしたような会話が続く物語だが、1と2でずいぶんと違っているな、というのが正直な感想。だた、どちらが優れているかという話ではなく、小規模ながらオリジナリティを感じる1作目と、1作目で育ったキャラクターを使った上手な二次創作のような2作目の違いは、比べるものでもない。そして、2作目のような手法は「オマージュ」や「リスペクト」などの言葉を伴って堂々と使われているが、東京五輪の初代ボツになったロゴマークの騒ぎにも見られたように、デザイン学校では普通に教えているのだろう。
世の中に唯一無二のものを生み出す能力、0から1を創り出せるのは、限られた才能や努力をした人に限られるが、他人が生み出した1を10にも100にも出来る人の方が評価される時代。それは、見る側にも分かりやすいからに他ならないが、そういう人々は本来、クリエーターと呼ぶべきではないと思っている。