商品を守ろうとしない会社
2020年05月25日(月)
●芸能人が亡くなった。自殺かどうか知らないが、「匿名の誹謗中傷」が原因の1つとかで騒ぎになっているらしい。この手の問題、そもそも芸能人は人間か商品かで、随分と対応は違うだろう。少し前、一部の芸能人らがSNSを使い、一斉に政治的発言を行った。これ、有名人だからまともな意見だろう、というバカには有効かも知れないが、そもそも、芸名で活動している芸能人に『私人』の要素などないだろうし、それを事務所なりが許しているなら、その芸能事務所の発言とみても良いだろう。芸能事務所の発言か、芸能事務所が仕事の一環として発言させていたのか分からないが、どちらにしても、芸名での発言を私人のものと思うのは無理がある。●こういう事を言うと「芸能人に人権はないのか」「諸外国では」などと安易に騒ぎ立てる連中が出てくるが、諸外国の芸能人は個人商店であって、その活動も発言も自己責任だ。無論、そういうのに巻き込まれないように仲介者が間に入って露払いをすることもあるが、どちらにしても、彼らの発言は個人の責任であり、それで仕事が減るのも自己責任、増えるのも自己責任という立ち位置に変わりはない。一方え、日本の場合、多くが芸能事務所に所属している『タレント』であり、言い方は悪いが、そういう会社の商品に他ならない。商品が勝手な発言をすれば、会社として何らかの対応を取るのが普通だろうが、そうでない以上、仕事と考えるしかなかろう。もちろん、その会社が常から、そういうスタンスで活動しています、と公言しているなら話は別だが。●ただ、この話で、安易に政治的発言を繰り返す芸能人を叩くつもりはない。そういう人たちを利用して発言させている連中の顔が見えないのが腹立たしい。偏った発言をすれば賛同者も反対者も出るわけで、そういう矢面に立たせておいて、ロクに出てこない事務所だのの姿勢は、それこそ古い体質のブラック企業そのものだろう。裁判沙汰になれば、芸能人は商品か人間か、そこが1つの争点になるので、真面目に芸能人の地位向上を目指すなら、まともに裁判でも起こすべきだろう。まぁ、そんな面倒なヤツより、便利な人形の代わりはいくらでもいるような『芸能』だと思えば、雇い主に尻尾を振った方が後々、損もないだろうけど。●ところで、どうして和田アキ子なんてのが『ご意見番』として名を馳せているのか知らないが、彼女が言う「演出まで本気にされたらかなわない」という発端となったドラマに対するコメントは、なかなか興味深い。テレビ番組の中には、明らかに作り物であるものの他、「ガチで」などと称して、過剰な『演出』で煽り立て、本当か作り物か分からないものも珍しくない。このご意見番とやらは、煽るだけ煽っておいて、視聴者が誤認したら「お前らバカか」と視聴者に言い捨てているのか、この業界のやり方に苦言を呈しているのか、どちらか分からないが、ご意見番という『役柄』を演じている以上、個人の意見でないのは確かだろう。★☆★